2012年07月21日

「それは、明日お話します」

「それは、明日お話します」 近頃、近所中にはびこってる、植物。

 何だろう、これ・・・iconN05iconN05iconN05

 アスファルトの隙間とか、石段のひび割れとか、

 結構生えてて、終に我が家にも・・・kao_16

 と思ったら、もう咲いてるiconN04iconN10iconN04

 あんまり、背丈は高くならず、ひたすら地を這う。

 そして、かわいい花。iconN10kao_10iconN10

 芝生代わりに、生やして置くか。kao_10

 オヤジに毟られなきゃ、いいんだが・・・

 土日、パートに行ってる間が、危ないな・・・

 やっぱり、一言、言っておこうかな。kao_2


    The Song of Wind (238)

 マヤリス妃の傷は、当座には動かせぬほど、重症だったが、

大勢の尼僧が、看護の為に呼び入れられ、薬もふんだんに

使えたので、どうにか、夜明け前には、安静の為、

客殿へ運び入れられる程には、落ち着いたのだった。

 それを見届けたセヴィリスが、聖堂へ戻ると、

ネレイド王は、初めて我に返った様だった。

 血の汚れを、僧侶達に洗い清めさせていた、六神官を、

無理に呼び集めると、今すぐ、我に冠を被せよと、

激しい剣幕で命じた。

 勢いに押されて、神官達が、黄金作りの冠を、

ネレイド王の頭上に載せた。

 さすがに、その間だけは跪いていた、ネレイド王は、

冠の重量を頭部に感じると、すっく、と、立ち上がり、

傍らで、呆然と座り込んでいた、グラウコスを引き摺り、

聖堂を大股に横切って、大扉に向かって歩き出した。

 「な・・・何を・・・」

 「何が、何を、なのだ?お前が言ったのだぞ。

  我の次に、この冠を被らせて欲しいと。

  欲しければ、来るがいい。最早、後戻りはきかぬ。

  これが、地獄へ落ちる道ならば、水先案内をさせてやる。」

 グラウコスは恐れの余り、目玉は、飛び出しそうに見開き

口からは、泡を吹きそうになっていた。

 王は、自らの手で大扉を開き、外へ出た。

 丁度、日が昇り初め、金色の朝日が、白い広場を

眩しく、満たしている。


 緋色の敷物が、陽を弾いていた。

 その両側を、着飾った列席者が、埋め尽くしている。

 彼らは、思いがけず早くに現れた、黄金の冠姿の王に、

ひれ伏すのか、拍手を送るのか、万歳を唱えたものか、

迷い、戸惑い、うろたえて、ばらばらな行動を起こした。

 準備も申し送りも、まだ、行われていなかったのだ。

 皇帝指名者、グラウコスを引き摺ったネレイド王は、

泡を食って、足を縺らせるグラウコスを、面倒臭くなって、

列席者の中に捨て置くと、敷物の端に仁王立ちしている

マチアスの前に立ち、激しい口調で命じた。

 「馬引けぃ!!ヘリアンタに帰るぞ!

  もうこんな所に、用はない!!」

 しかし、マチアスは動かなかった。

 長身の男の頭部は、ネレイドより上にある。

 真っ直ぐに前を見据える目は、王を見てはいない。

 「マチアス!聞こえぬか!馬!!」

 王が、いかに怒鳴ろうとも、大男は、微動だにせぬ。

 それどころか、口元が微妙に歪み、笑っている様にさえ見える。

 「もういい!どけっ!!」

 苛立ったネレイドは、マチアスを押し退けようとした。

 だが、マチアスは、頑として動かぬ。

 ジャドゥビスは、そのやり取りを、間近に見て、ぞっとした。

 ネレイド王にも、他の誰にも、見えていないらしいが、

マチアスの背後の黒い霧の渦が、次第に、濃く澱み、

沼の泥のように、粘り気さえ見せて、マチアス本人を巻き込み、

更に、マチアスとネレイド王の間に、立ちはだかるように、

移動して現れた。渦の端は、何かをもぎ取るように、尾を引いて

マチアスから離れた。

 その頃には、霧の存在は、人々の目にも、見え始めたらしい。

 列席者は、怪異にざわめき、ネレイド王は、目の前の、

泥とも濃い煙ともつかぬ渦巻きを、唖然と見守った。

 渦は、動きを緩めた。漆黒に色が指した。

 マチアスから、怪異は、まだ尾を引いている。

 あたかもマチアスから、怪異が、分裂したかの様だ。

 人々は、固唾を呑んで見守り、上空の異変にすら、

気付かなかった。上空には、純白の翼はためかせ、天馬が

背に、ドリスとミランを乗せて、飛んでいたのだ。

 「ネレイド王だ。その前に立っているのが、マチアスだろう。」

 アルフィーニは、そう言ったが、マチアスの前に起こりつつある、

怪異を目にした二人は、愕然とした。

 次第に、人の形を取りつつある、それは・・・

                続く


 それは・・・何でしょうiconN05iconN05

 「明日、お話します。」「今言えよ!今すぐ言えよ!!もったいぶりやがって!!」

 「鍵の掛った部屋」の、名セリフです。鍵目

 「それは、・・・二人がよく知る人物であった。」

 って、書こうか、書くまいか、迷いました。そして、書かずにおきました。なぜか。

 これが、土曜日UP分だから。「明日、お話します」しっかり、もったいぶってます。

 では、明日をお楽しみに。icon22kao_19icon06icon12今日も、お越し下さって、ありがとうございました。



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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