ぶるんねん文庫

　　　　
　　　　　
　
　さっさと、毟っちゃえばいいのに、

　今に咲く、もうすぐ咲くと思うと、

　毟れない。

　しおれて来る頃に、ようやく決心して、

　えいっ、と、毟る・・・というか、

　引っこ抜く。

　さあは、農業には、向かないね。

　ガーデニングにもね。

　　　　


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（２２１）

　テオは、目覚めていなかった。

　ミランが部屋に入って行くと、入れ違いに、ドリスが、頭を振り振り

出て行き、アルフィーニが、沈痛な面持ちで、立ち尽くしている。

　「どうだった？」

　尋ねるまでもなかった。黒い霧の正体は解明できず、

テオの意識も戻らない。オオシロトカゲを、樹海の南方へ

返してやる方法は、分からず仕舞いだったのだ。

　説明されても、ミランは、更に、老神官に食い下がった。

　「あの・・・明日、もう一度、やってもらえますか？

　　もっと違う何かが、分かるかも・・・」

　「ミラン」

　アルフィーニが制した。

　「大神殿随一の、読心魔術の使い手が、渾身の力で読んで、

　　駄目だったのだ。神官殿も、一晩では、力が回復するまい。

　　無理を言うものではない。」

　ミランは、部屋を飛び出し、眼下の山並みを下る、松明の列を、

見つめた。夜闇に現れた、思わぬ明かりと、殺気立った人馬の動きに、

森の獣や鳥達が、騒ぐ声が聞こえる。

　とはいえ、元から森に住む生き物達には、逃げ場所があるだろう。

　しかし、オオシロトカゲ達は・・・

　ミランは、部屋にとって返し、昏睡しているテオに掴み掛った。

　「おい！起きろよ！！起きて、喋れよ！

　　黒い霧って、何なんだよ！！あの網は、何だったんだよ！

　　洪水に遭った城に、ホントに、黒い霧に乗って来たのかよ！

　　ホントにそうなら、黒い霧に、あいつらを乗せて、

　　帰してやってくれよ！！・・・おい！聞こえてんだろ！！」

　ミランは、力ないテオの身体を、激しく揺さぶり、怒鳴り散らした。

　慌てて、神官とアルフィーニが止めに入る。

　「無茶をするな！今、要らぬ刺激を与えると、二度と

　　目覚めぬやも、知れぬと言うのに。

　　それに、ファーゴに操られて、道具にされたという点では、

　　こやつも、あのオオシロトカゲ達と、同じなのだぞ。」

　「そうですとも。」

　神官も、テオを、安静に寝かし直しながら言った。

　「この者が、魔術を使ったと言っても、操られてでは、

　　魔術の道理は、分かっては、おりますまい。

　　楽器を弾く者が、楽器を作れるとは、限りませぬ。

　　同じ事です。これ以上、この者を責めても、

　　何も得られは、致さぬでしょう。」

　ミランは暫く、怒りと空しさに、身を震わせていたが、

やにわに、傍らにいたアルフィーニを突き飛ばすと、

廊下を、物凄い速さで、駆け去った。

　かと思うと、その姿は、もう馬上にあり、前庭の植え込みを

踏み越え、単騎で、山道を駆け下って行く。

　それに気付いた、腹心の部下達が、急ぎ後を追う。

　更にそれを見た、ミランの部隊が、騒ぎ出した。

　ユーディスは、ドリスと共に、それを取りまとめ、慌てて、

出撃の許可を取りに、奔走する羽目になった。

　無論、許可は下りぬ。ドリスは、アルフィーニと共に、

ミランを引き返させるべく、上空へ飛び立った。

　が、二人は、ミラン達が素直に戻らぬと、知っている。

　短い秋の日は、とっぷりと暮れ、西の彼方に、セピア色の

残照が、残るばかりだ。自由国境地帯の、山麓は、

いつしか、天上の星を映したかの様に、松明の明かりが、

そこかしこに、揺らめいていた。

　　　　　　　　　　　　　　　続く

　先月の「Ｆａｃｅ　Ｄｏｗｎ」に続いて、「Ｙｏｕｒ　Ｅｙｅｓ」が出ました。嵐も忙しいよね。

　しかし、Ｍステに於ける、この二曲の扱いの差は、何なんだろう。

　片や、フルコーラスで、片や、一部カット。なぜ、フルコーラスやらないの？

　両方とも、メンバー主演のドラマ主題歌。この前の、松潤のは、フルだったよね。

　嵐は数字取れるから、フルでやるようになったのかと、思ったのに。

　ドラマの放送局の違いなのか。松潤や大野君と相葉君の差なのか・・・？

　ドラマの出来で言ったら、確かに、「鍵部屋」の方が、面白く出来てる。

　ＣＭの入れ方も、気を使ってると思うし。その辺、「三毛猫」は、やや雑。

　「密室は、破れました。」って言う時の、大野君の、アルカイックな表情。

　でも、チョコを食べた時は、頬を緩めて微笑んでた。この違いが出せるかどうかで、

　主題歌の扱いが変わるなら、「相葉君頑張れ」としか、言いようが無い。

　　　　では、また次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。