2012年06月02日

雑草なんて言わないで

雑草なんて言わないで 雑草が、好きです。

 薔薇や蘭も美しいのですが、

 人が、雑草と言って、

 毟ってしまう花が、

 堪らなく、いとおしいのです。

   iconN12 いちご iconN12 いちご iconN12

 ヘビイチゴでも、可愛いんです。

 こんな物、とは、思えない。

 お向かいの子供達が、イチゴ狩りをしてしまい、今は、もうありません。

 でも、小さい子達の無邪気さも、可愛くて、いいと思うのです。


    The Song of Wind (217)

 「アルフィーニ!どうしたの、急に・・・」

 天馬の姿で、上空を飛んでいたアルフィーニは、

突然、地上に降り、黒馬に姿を変えた。

 背に乗って、ミランを探していたドリスは、急降下に驚き、

思わず大声を出してしまっていた。

 アルフィーニは、「シーッ」っと、ドリスを制すると、用心深く、

周囲を見回した。だがオオシロトカゲ共が、あちこちに、三々五々、

十頭ほどずつ群れ合って、北国の気候をしのいでいるばかりだ。

 「魔術師の気配がした。一瞬だが、波動を感じた。

  だが、もう感じない。向こうも、私に気付いたのだろう。」

 ドリスは、慌てて、辺りに目を配ったが、ドリスには、

魔法の波動は、感じ取れない。

 「誰だっただろう。近々に出会ったか、非常に似た波動と、

  行き会ったか、したような・・・」

 「アネッサ・リー?」

 「いや、あのように、特徴的ではない・・・

  セヴィリスならば、これほど一瞬でも、間違える事は、

  ないのだろうが、私は、見者の目を持たぬ。

  行きずりの、瞬時の波動までは、識別できぬのだ。」

 アルフィーニは、変身能力に長けた分、受動的な能力が、

やや、欠けているらしい。

 「気を付けてくれ。魔術の痕跡は、念入りに消されているが、

  つまり、それほど、用心深い奴が、いたと言う事だ。」

 アルフィーニは、生白い、長い尻尾を踏まぬように、用心深く、

足場を選びながら、なだらかな下り道を、辿って行った。

 魔術師の気配と、ミランの波動を、同時に探りながら、

変身し続けるのは、アルフィーニにとって、かなり気力を

消耗する作業らしく、時折、立ち止まっては、首を下げ、

精神を集中させている。

 「降りようか?」

 「いや、乗っていてくれた方がいい。万一、こいつ等が

  襲い掛かってきたら、瞬時に逃げられるから。」

 そんなやり取りをしていると、向こうから、がさがさと、

下草を棒で掻き分けながら、ミランが呑気な顔で現れた。

 「ミラン!皆で探してたのに!!

  それに、こんな凶暴な奴等の中を、馬にも乗らず、

  歩いて来るなんて!狂気の沙汰じゃないか!!」

 ドリスは、人が通った事で、もぞもぞと動き回り始めた、

トカゲ共の迫力に押されて、アルフィーニから降りることが

出来ないまま、ミランを怒鳴りつけた。

 「来る時は、馬で来たよ。

  神殿長を見かけて、乗せてやったら、馬が駆け出しちゃって、

  置いてかれたんだ。神殿長、見なかった?」

 「ニグ・エウビュコス神殿長か?もと神官の?」

 「そう。馬は、訓練されてるから、自分で神殿に帰ると思うけど、

  神殿長、じっと乗っていられるかな、と、思って・・・

  途中で落馬してないかと、心配で・・・」

 アルフィーニは、やっと得心が行ったように、頷いた。

 「わかった。あの魔術師の気配は、神殿長だろう。」

 「でも、神殿長が、なぜこんな麓の森に?」

 ドリスは、石か朽木の様に、群れたまま動きを失った、

未知の生き物が、そこここに固まっている、秋枯れた森を

見回して呟いた。

 だが、ミランは、その疑問を一蹴した。

 「散歩じゃないの?」

 アルフィーニは、まさか、と、思ったが、まず二人を連れ、

一旦、神殿に戻る事にした。

 そこは、余り長居したい場所では、なかったからだ。

 
 秋の北国は、曇りがちで、昼間でも寒々としている。
 
 温暖な気候の中でしか、生きられない、この爬虫類は、

冷え込む夜を、越せぬかも知れぬ。

 そう聞いたミランは、何とかしてやってくれと、喚き出した。

 「だって、来たくて来たんじゃないんだよ!

  オレ、見たんだ。黒い、もやもやっとした穴から、

  にょろんって、オオシロトカゲが、這い出して来るのを。

  あれは、何か魔法で、運ばれて来たんだ。

  例の、黒い霧の網で、南の国で捕まえて、さ。」

 ドリスは、あっ、と、叫んだ。その黒い霧の、投網を投げた

張本人を、捕えている事を、思い出したのだ。

 「テオ・ニコル・・・あいつを締め上げれば、

  何か分かるかもしれない。

  今の所、知らぬ存ぜぬで、押し通しているが、

  もう、シラを切らせぬ!傷も治ってきてるんだ。

  どうにでもして、吐かせてやる!!」

 「そうだよ。このままだと、奴等、寒さで死んじゃうよ。

  なんとかして、魔法を解いて、故郷の南国に

  帰してやらなくちゃ。」

 ミランは、あくまでも、トカゲ共の味方である。

 三人は神殿に戻ると、厳重に見張られた、

テオの病室へ向かった。牢獄よりは、ややましな、狭苦しい

小部屋に、テオは、ずっと、押し込められていた。

                続く


 大ミスです。kao12毎週、土日水に、UPしてますが、間違えて、28日月曜日に、UPしてしまい、

ストックがなくなりました。本日、6月1日。これは、2日(土)の分。日曜日分が、できるかどうか・・・

 できなかったら、ごめんなさいkao_9。だって、嵐が、TVに出すぎるんだもん。kao_01

 kao_12ドラマ二本、VS、ひみつの、しやがれ、ZERO、おまけに、Mステ。

 見て、消して、ダイジェスト作って、ダビングして・・・大変なんだもん。スペードiconN04スペード

 「Face Down」カッコよすぎるし・・・あ、略タイトル、分かります?kao06kao07kao06

 またまた、HDD残量との戦いです。娘のアニメと、残量の奪い合い。

 醜いiconN05骨肉の争いです。(face02face02

  では、また次回。ハートねこハート今日もお越し下さって、ありがとうございました。
  



同じカテゴリー(ファンタジー)の記事画像
脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
鍵の掛かった部屋SP!?!
風の歌 410 ・・・最終回、そして次にやる事・・・
同じカテゴリー(ファンタジー)の記事
 脱・0円ファン宣言!!! (2017-07-16 13:33)
 大好きなのは、タロットカードの話 (2016-09-05 01:58)
 なんだかへんだな・・・ (2015-12-07 11:58)
 付け足し・・・Quarandolleってなんだ? (2015-09-09 09:21)
 ふしぎちゃん女子 (2014-02-19 00:01)
 あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!! (2014-01-18 00:00)

Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。