ぶるんねん文庫

　娘の落書き。

　昔から、どこにでも書く。

　新聞の余白、広告の裏。

　「全部保存して置く事」

　って、大学は言うけど、

　結構大変な事なんです

　お願いだから、

　きちんとした所に描いて


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（２１０）

　「何事です！時刻をわきまえて頂きたい。」

　ユーディスが起き出すより早く、夜番の神官が、駆けつけた。

　夜襲と聞き、将校達も起き出して、集まってきた。

　「偵察からは、何も知らせて来ては、いないが・・・」

　「いや、それが間に合わぬのが、夜襲でしょう。」

　「兎も角、斥候を出して・・・」

　「しかし、此方が気付いた事を、覚られるのは、不味い。

　　冷静に対処を・・・」

　「そうだ。どこから、どれ程の規模で、来ているのか。

　　ミラン・アクティオン。方角、距離、規模はどれ程か？」

　ミランは、呆然となった。鼠と梟の声を聞いて、夜襲だと、

考え付きはしたものの、それ以上、何一つ確認することなく、

駆け戻って、騒ぎ立ててしまったのだ。

　「・・・それは・・・あの・・・何となく、気配で・・・」

　呆れたため息と、怒りの舌打ちと、失笑とが、渦を巻いて、

ミランを押し包んだ。動物の声が聞こえる事は、ユーディスには、

話したが、ユーディスが、信じているかどうか、分からない。

　馬や犬など、他の人にも、表情の分かり易い動物ならば、

信じて貰える所だが、この場合は、信じろと言う方が無理だ。

　勢いを失ったミランを残して、皆は、三々五々、散っていった。

　ユーディスは、ミランに確認した。

　「本当に、夜襲ですか？」

　「声がしたんだ。『人が沢山。逃げろ、急げ、隠れろ。』

　　夜襲以外、考えられない。でも、オレ、確かめてなかった。

　　もう一回、行って来る。ちゃんと、方角と、距離と・・・」

　「分かりました。」

　ユーディスは、ミランを遮り、近侍を呼ぶと、独自に森へ

斥候部隊を放つよう、命じた。

　「あなたは、準備万端を整えて、待機していて下さい。

　　すぐに出撃できるように。」

　ミランは、驚いた。しかし、ユーディスは、全てを信じた訳では

なかった。子を諭す親のような、苦笑交じりの声で、言った。

　「次からは、もう少し、確実な情報を、お願いしますよ。

　　何の声を聞いたにせよ、です。」
　　
　しかし、一刻も経たぬうちに、ユーディスの斥候部隊は、

只ならぬ報告を、次々に持ち帰った。

　山の麓一面に、ルテシア軍が、展開しており、

明け方を待って、奇襲を掛ける模様。その数、約五千と言う。

　ガラノデルム大神殿には、二千足らず。

　僧兵を入れても、三千には届かない。

　堰止湖に阻まれ、退路を絶たれているに等しい、

バルツァード軍に引き換え、ルテシアの五千は、

まだ、その背後が、いる事を窺わせる。

　防戦か、先制攻撃か。話は、こじれ、割れ、まとまらない。

　「何をお騒ぎですか？」

　凛とした声が響いた。

　ひどく小柄ながら、強烈なオーラを放つ、神官が現れた。

　ガラノデルム大神殿長、ニグ・エウビュコスであった。

　　　　　　　　　　　　　　　続く

　この部分。別のシーンに出来ないか、随分、試行錯誤しましたが、結局、下書き通りにしました。

　毎週土曜日、ハラハラです。ドラマの演出と被らないか。

　「三毛猫ホームズ」読んだ事なかった。赤川次郎の、別のシリーズは読んだんだけど。

　日立のＣＭに、うろたえたりしなければ、こっちが先だったのに。

　月曜日は、大丈夫です。安心して見てられます。大野君の細かい演技を、逐一、楽しんでます。

　やや、活舌が悪いのは、多分、舌小帯が短いんだ。舌の裏側のすじ。

　・・・割と簡単なオペで治るって、聞いたことあるけど、どうなんだろう。今更・・・かな

　・・・って言う、後書きが出来るようになって、ウキウキしてます。ではまた、次回

　　　　　今日も、お越し下さって、ありがとうございました。