2012年04月14日

アミガサタケ・・・こんな所に・・・

アミガサタケ・・・こんな所に・・・ face08iconN04face08iconN04face08 

 驚きの1シーン!!!!!

 隠れ庭の斜向かいには、小さな公園があり、

 桜が見事なんですが、その根元に、

 『アミガサタケ』が、どっさり生えてます。

 icon28食べられるんだそうですが、

 いぬねこ犬猫の通り道だしなあ・・・ねこいぬ

 きのこは、怖いし・・・kao12kao_12kao12

 ニュースで、トリカブト中毒やってた所だし。

 おかずにするのは、やめよう・・・icon07kao_9icon07  


    The Song of Wind (195)

 城の中では、静かな騒ぎが、起こっていた。

 パストリア占領軍が、ひっそりと退去し、入れ替わりに、

イヴェルト率いる、ルテシア軍が、入城して来ていた。

 パストリア軍は、副官に率いられ、事ならぬまま、

慌てふためいて、夜の樹海に踏み出して行った。

 ディーレン占領軍も、急ぎ、撤収しているに違いない。

 森を彷徨っていた、賦役兵達も、程なく町へ帰ることだろう。

 全てが、元のあるべき位置に帰ろうと、動いていた。

 その中で、唯一、三つ首犬だけが、戻らない。

 ケルビンが近寄り、様子を窺った。

 夜闇に紛れて、しかとは見えぬが、三つ首犬の頭部は、

薄い、黒い霧に包まれている。その霧は、息苦しげな、

三つ首犬の、それぞれの鼻孔から、吐き出されては、

また吸い込まれてゆく。

 オリザ姫には、その霧の様子が、見えているのだ。

 それは、三王女の、心の惑う様子、そのものだった。

 王宮の奥殿の、ごく狭い世界で、決められた許婚の、

花嫁となるためだけに、育てられて来た、王女達にとって、

突然の婚約解消は、生きる望みを、絶たれたに等しい

衝撃だったのだろう。

 元に戻りたい思いと、最早、生きていても、希望は無く、

後は、老いて死ぬばかりと思い詰めて、自暴自棄的に、

怪異に身を委ねた心とを、葛藤し続けているのだ。

 今のオリザ姫には、それが、手に取るように理解できる。

 幼い頃は、頼れる姉達のようだったのに、十二歳で、

世継ぎと決まった頃から、同じ奥殿に暮らしていても、

 顔を合わせぬように、避けられ始めたのだ。

 当時は、何事のせいか、理解できなかった。

 第一に、立ち位置が、変わった。それまで他の姫達と、

同列だったのが、一人、父王の後、母の王妃の前に立たされた。

 しかし、オリザ姫は、母の前に立つことに、疑問を感じなかった。

 娘が、父母の間に立つ事を、当然と思っていた。

 なぜ、あの時、気付かなかっただろう。叔母達の不幸を。

 三人とも、母が違った。二人は亡くなり、一人は身分低く、

里に下がった切りだった。婚約を、再度取り付けるだけの、

後ろ盾の無い、孤独と、心細さを、どうして、思いやって

あげられなかっただろう。

 歌う声は途切れ、シシィ一人の声が響いていた。

ただ、三つ首犬の頭を撫でながら、つぶやく声が、

祈りの言葉のように、シシィの歌に加わっていた。

 「ごめんなさい。どうか許して下さい。何も知らなくて。

  叔母様達を、必ず私が、幸せにして差し上げます。

  お約束します。だから、元に戻って。

  故郷に、帰るために。幸せになるために。」

 シシィは、オリザ姫に代わって、歌い続けた。

 次第に、黒い霧は、吐き出される方が、再び

吸い込まれるより、多くなった。

 その分、オリザ姫の周りには、夜目にもはっきりと、

黒い霧が漂い出したが、オリザ姫自身には、その霧は、

触れることは無かった。オリザ姫の身体は、内側から、

薄紫色の微かな光が、射しこめ、黒い霧は、その光に触れる事を

忌むかのように、紙一重で、避けて流れている。

 行き場を失った黒い霧は、宿主を求める寄生虫のように、

シシィに近付いたが、シシィの内側からも、薔薇色の光が、

射していた。同じように、セヴィリスもジャドゥビスも、それぞれ、

薄い、青と緑の光を帯びていた。

 ケルビンが、皮肉交じりに、呟いた。

 「闇の魔人が、純白か。・・・まあ、構わぬが。」

 黒い霧は、今や、大方が、吐き出されたと見え、

 三つ首犬の姿は、随分縮まり、その顔つきも、人に近くなった。

 ケルビンが、仔牛ほどにまで縮まった、三つ首犬の身体に

左手を当てた。その手が、青白く光り、やがて、大きな光球を、

形作り、三つ首犬を包み込んだ。

 突如、旋風が巻き起こった。

 行き場を失い、付近に漂っていた黒い霧は、

一塊に、撚り集まり、星々の瞬く樹海の夜空に、

吹き飛ばされて、消えて行った。

 ケルビンの光球からは、今まさに、生まれ変わったように、

穏やかに眠る、三人の、美しい王女達が現れていた。

        続く


 ああ、やれやれ。kao_17iconN30

 やっと、元に戻りました。ラミア、リリア、ルシアの三王女。(モデルはP・・・の3人ね)icon22kao_19icon06

 それにしても、オリザ姫のおじいさまって、凄い人だねkao_15face08kao_15

 オリザ姫のパパの、お母さんだけじゃなく、他に少なくとも、3人お妾さんがいた訳です。kao_11

 ちなみに、オリザ姫のパパのお母さんは、正妃です。・・・これは、第五章の伏線です。kao_7iconN36
 
 で、黒い霧は、どこかへ行って、また何かやらかす訳です。kao09kao06kao09

    ではまた次回iconN08tenki_1iconN08今日もお越し下さって、ありがとうございました。
 



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(2)ファンタジー
この記事へのコメント
こんにちは~♪

アミガサタケですか・・・
なんだか初めて見るような~感じです。。。( ゚ω゚ )ノ 
食用になるんですか...でも犬猫の通り道になってると、ちょっと考えますよね~(*'ω'*)

それに・・・もし毒キノコだったら....やばい!!(≧ω≦)

・・でも形が少しメルヘンチック!??
だとしたら・・童話の世界のキノコにして置いた方が良いのかな??

それにしても傘の部分が、、干しブドウに似てますね~(笑)
Posted by DreamDream at 2012年04月14日 13:06
おはようございます
 お返事遅れまして・・・何せスーパーは、土日が勝負、
当然ブログは、機械仕掛けで、自動UP・・・
 お花は、季節はずれだし・・・でも、きのこは、昨日、まだ生えてました。
 アミガサタケは、中華食材だそうで、干しブドウよりはずっと大きいです。
 あのカサだけで、5~6cmあります。
 致命的な毒きのこって、少ないらしいですが、
毒は無くても、消化の悪いものが多いので、
おなか壊して、パン屋に迷惑かけるのは、避けないと・・・
 ・・・一人暮らしのぷう太郎だったら、食べてみたかも・・・

 でも、食べるより、あのしわしわの、窪みが、
妖精さんの、アパートにみえてきちゃうんですよ。
 黄昏時になると、きのこのアパートの窓から、う~んと翅を伸ばして、
星風の中に飛び出す・・・そんな感じ・・・
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2012年04月16日 10:34
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