ぶるんねん文庫

　

　多分、「さあ、帰ろう」の前か後。

　ほこほこ、ぽかぽか。可愛さは100点

　ニャンコは、ぬくい所が大好きだもんね。

　でも、これ、尻尾の位置が、変。

　こごまの尻尾、よく見てご覧

　ニャンコの尻尾、こんなんか

　図案化と、出鱈目は、違うと思うよ。

　　・・・で、ＢＯＴＳＵ

　　　　　　


　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１８３）

　一応、武官であるイヴェルトは、さすがに、剣こそ

放さなかったが、ケルビンの事は、完全に失念していた。

　黒い霧の塊は、滑る様に、二人の足元に近付くと、

ぬぅっと伸び上がり、イヴェルトに覆い被さろうとした。

　「ウワーーーッ！！！」

　大声で叫びつつ、イヴェルトは、闇雲に剣を振り回した。

　霧は、ふわふわと、手ごたえ無く、切られては、また

くっ付き合った。その点では、全く自然の霧と変わりはない。

　「馬鹿者！騒ぐな！！」

　ケルビンは、手を放されると、すぐ体勢を立て直した。

　そして、最小限に弱めた、電撃の火花を連発して、

黒い霧を追い払った。

　が、追い払うだけで、壊滅させようとはしない。

　黒い霧は、ケルビンが立ち上がったのを見ると、

じわじわと引き下がり、水と岩の境目に吸い込まれて、

見えなくなった。

　「あ・・・あれは何だ！？

　　貴様、あんな化け物を、飼っているのか！？
　
　　よくも嗾けおったな！！」

　「騒ぐなと言ったぞ！静かにしろ！！」

　その時、地上を歩く足音と、揺れる明かりが近付いた。

　ケルビンは、岩陰の小炎を消した。地底は真っ暗である。

　足音は、すぐ遠のいた。ケルビンは、小炎を戻しながら、

幼子を諭すように、言った。

　「パストリア軍だ。城を占拠し、周囲を見回っている。

　　お前は、ここがどこか、本当に分からぬのか？

　　ここは、言うなれば、すでに城の中なのだ。

　　そこの石組みの隙間から、城内に戻る事が出来る。

　　だが、敵兵ひしめく中に、単身飛び込むのか？

　　それより、ルテシア軍一隊の、指揮官なら、

　　今に、その首を捜しに、両軍が動き出そう。

　　その折、ルテシア側に、隠密に生存を知らせれば、

　　城を取り返す機会も、自ずと見えて来よう。

　　今は、自軍が態勢を立て直す時を、待たねばならぬ。」

　「・・・それは・・・分かる。が、お前は、魔術師なのだろう？

　　我が隊を探し、俺の生存を、知らせて来てくれ。」

　「悪いが、できぬ。」

　ようやく落ち着き、精一杯、下手に出た心算らしい

この男の貴族根性に、ケルビンは、哀れみさえ覚えた。

　「ここは、先程の黒い霧の、厳重な結界の中だ。

　　魔術師たる我は、簡単に出入りは出来ぬ。

　　その石組みの所からも、な。」

　「・・・と、言う事は・・・俺は？」

　「すぐに出られぬ事は、同じだ。

　　入る方は、弾みで落ちたのだから、仕方ない。

　　頭から落ちぬように、手は貸したが、な。」

　ケルビンは、ある一点についてだけは、決して、この男に

知らせまいと、決意していた。妹イーヴェルが、兄を思う余り、

結果的に、パストリア軍に、内通してしまった事を、である。

　　　　　　　　　　　　　続く

　会話文って、行を食いますね。特に、物分りの悪い人物がいると・・・

　読んでる方は、分かってるのに、こんなに、だらだらと喋らす必要、ないでしょ？

　って、思われるのを承知で、書いてます。なぜか？必要だから。

　そこ等中に、細かい矛盾があります。ミスではありません。気付いて欲しいな。

　そして、「こうじゃない」って、推理して、先読みして欲しいです。

　では、また次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。