ぶるんねん文庫

　この写真は、ケイタイの中で、

　迷子になってた一枚。

　昨年11月26日の写真の、数分前

　「これなに？どけて」

　って、言ってたんだ。多分。

　でも、これを撮った時には、気付かず、

　この状態で、やっと気付いた。

　


　「頭、置く所に、変な物があるねん

　　でも、この位置に、頭、置かんと、

　落ちつかへんねん。」

　　・・・って言う、2連続写真。

　もちろん、コードは違う所へ行きました。

　こごまは、この場所を、定位置だと、

　信じ続けているのです。

　　　　　　　


　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１７５）

　ドリスは、途方に暮れていた。

　ソルダムが、神殿の地下室から、行方不明になって、

まる一日以上が経っていた。

　水害を免れた小さな神殿は、公爵率いる城兵と避難民が

ごった返して、大変な混乱である。

　洪水は、引き始めているのだが、食料や飲料水を求めて、

人々が、続々避難してくるのだ。

　広からぬ前庭は、日も暮れ切ったと言うのに、伝令兵の

報告や、指図の声に混じって、怒鳴り声や、子供のむずかる声、

老人の嘆きや、すすり泣く声が、溢れ返っている。

　その酷い混乱の中を、ドリスは、どれ程必死に、

ソルダムを探し回った事か。

　神殿の内外は言うに及ばず、近隣の人のいそうな所は、

全て探し、探しあぐねて、ドリスは、救護所のテオを訪ねた。

　グロリオーサ城の、ルテシア軍消失は、ドリスも聞いている。

　死者は残されていたから、夢幻ではない。

　生きて捕えられたのは、テオ一人。

　しかし、その供述は、余りに曖昧すぎるものだった。

　タンベルディ村の一農夫が、どうやって、ルテシア軍の

一隊を任される、指揮官になり得たのか。

　それに、突如湖上に現れた、多数の大型ボートが、

どこから出港したのかも、わからない。

湖岸沿いの港には、どこも駐留兵がいるから、

あれだけの数で、隠密行動は出来ない。

　それに、母船となる、大型船の姿も無いのだ。

　不可解な事が、余りに多い。

　テオは、相当激しい、尋問の嵐に、晒されたようだった。　

　怪我人ゆえ、拷問までは受けていないが、その瞳からは、

野獣じみた、正気を逸した光は消え失せ、きょときょとした、

落ち着き無い視線が、さまよい続けている。

　「テオ、と、言ったわね。

　　タンベルディ村から来たのは、本当？」

　「ああ」

　「じゃあ、マチアスって、知ってる？」

　それは、ソルダムから聞いた名だった。

　アルナス后を拉致した二人組みの、主犯である。

　「知ってる。俺の仲間だ。」

　「どんな奴？背は高い？」

　「ああ、俺と同じぐらい・・・」

　ヘリアンタから、コーブリオンへ出兵した隊の中に、

長身の、黒い霧の騎士が確かにいた。

　そして、その後のジュノス伯の手紙に、タンベルディの

農民兵は、悉く、バルツァードへ送られると書かれていた。

　黒い霧の騎士となったマチアスは、操られたまま、

農民兵を率いて、バルツァードへ遠征しているのだろう。

　・・・ミランが危ない・・・

　黒い霧の怪異が、ミラン率いるバルツァード軍に、

降りかかろうとしているのだ。

　ソルダムの行方についての情報は、何も得られなかったが、

不測の事態に巻き込まれたとしても、ソルダムは、必ず、

北の故国を目指すに違いないと言う、確信はある。

　血の気の無い顔で、救護所を出ようとした、ドリスの前に、

見慣れぬ異国の服が翻った。

　ユーディスとミランを、北へ送り届けたアルフィーニが、

戻って来たのだった。

　約一刻の後、ドリスと、後ろ手に縛り上げられたテオを乗せて、

一頭のドラゴンが、秋の星空の中を、飛翔していた。

　目指すは、再びの北の山国。

　手を伸ばせば届きそうな、瞬く無数の星々が、

この不思議な一行を、ただ見送っていた。

　　　　　　　　　　　　　　　続く

　う～ん・・・進まない。もっと進ませたかったんですが。

　相当、端折ったんですよ分かるでしょう

　迷って迷って、決意して、それでも迷って・・・を、「血の気の無い顔」って、一言で・・・

　国語のテストだね。「この心境を表す語句を、7文字で抜き出せ。」・・・結構得意だったかな

　　では、また次回今日もお越し下さって、ありがとうございました。