ぶるんねん文庫

　かわいい絵なんだが、

　字がまずいね。

　ちゃんと、習字を習わせなかったのは、

　失敗だった。子供三人＋オヤジ

　皆、字が下手。さあも、下手だし。

　大人の字体って言う事なら、

　辛うじて、娘と、さあかな？

　あとの男共は、ガキの字だわ。

　特に次男がひどい。頭は良いのに、

　何でだろう


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１７１）

　翌朝、夜明け前。まんじりとも出来ぬうちに、イーヴェルは、

生まれた時から仕えている、乳母に起こされた。

　乳母は、ひどく慌てている。

　「兄上様が、急ぎお呼びです。早うお出ましなされませ。」

　イーヴェルは、兄に怒られぬ、ギリギリの装束で、

会議場に充てられている、広間に急いで入って行った。

　平兵士以外の、役付きの兵や将校達が、ずらりと居並ぶ中、

女は、イーヴェル一人である。

　硬くならぬ方が、おかしいのに、言葉を詰まらせながら、

朝の挨拶をするイーヴェルに、またしても目くじらを立てながら、

イヴェルトは、城周辺の細かい地理を、イーヴェルから、

直接、説明させようとする。

　「城の北側には、クヌー川が流れております、

　　城の堀の水は、ここから引いておりますが・・・

　　その水路は、一部、ディーレンまで通じていて、

　　水運に利用されています。南は・・・」

　いらいらと、イヴェルトが遮った。

　「我々は、南の島国の三王女を、捜索しに来たのだ。

　　王女達が、監禁されていそうな場所の、心当たりを、

　　掻い摘んで申せ。余計な事はいらぬ！」

　ぎろりと睨みつけられ、イーヴェルは、言葉を失った。

　緊張もあるが、なにより、当の三王女を、匿っているのは、

自分なのだ。それに、監禁場所に都合良さそうな、古代の、

石造りの遺跡のある、城の東側は、パストリア軍が展開する

一帯でもある。迂闊に説明出来ぬ。

　「確か、このお城も、遺跡の石組みを利用し、その上に

　　建てられたと聞きましたが？」

　昨夜からの、イヴェルトの冷たい物言いに、同情した、

一人の隊長が、助け舟の心算で、口を挟んだ。

　しかし、庇われたはずのイーヴェルは、顔色を失って、

倒れそうになった。

　「もういい！！全く、毎日城に居て、何を見聞きしているのだ。

　　世事に疎い上に、我が城の事も、よく知らぬとは！」

　イヴェルトは、小姓に地図を掲げさせ、荒く記入された、

城の東に点在する遺跡を、指し示した。

　だが、普段、領国におらぬ領主ゆえ、どの遺跡が建造物か、

巨石の積み重なりか、結局は、イーヴェルに訊かねばならぬ。

　詰まり詰まり説明する妹に、イヴェルトは、苛立ちを

隠そうとはしなかった。

　出立の杯を配る時も、イーヴェル手ずからの杯を、

ひったくる様に、取るのである。その度に、イーヴェルは、

おどおど、びくびくと、兄の顔色を窺う。

　間近にそれを見る者は、困惑の色を隠せぬ。

　が、今はとにかく、樹海の捜索が役目である。

　イヴェルトは、国王の預けられた一隊に加え、

城兵の大半を率いて、出発した。樹海の案内は、

イーヴェルの乳母の夫、森の番人である。

　今日は、まず、城の南側、外堀に架かる、大跳ね橋の内外を

捜索する事になっている。

　この橋の鍵が、ファーゴの執務室で、発見された為に、

今日の捜索に至ったのだ。当然の流れである。

　一方のパストリア軍は、城の東から、北側に回りこんでいる。

　イヴェルトの動きは、とうに掴んでいる筈だ。

　パストリア軍も馬鹿ではない。

　同盟国の王女奪還を、名目に押し立てているのだ。

　捜索隊に、いきなり攻撃をかけては、来ぬだろう。

　イーヴェルは、兄の出発を見送ると、ふらつく足を踏みしめ、

地下へと急いだ。「御方様」に指示を仰がねば、

どう行動していいのか、今のイーヴェルには、

何も分からなかった。

　　　　　　　　　　　　続く

　・・・おこがましいのを、承知で書きますが・・・

　もしかしたら、「風の歌」は、グインサーガのテーマの跡を、

　ずっと、付いて行ってるんじゃ、ないだろうか・・・？

　グインが何故、追放されて、記憶をなくして、戦乱の中へ現れたか？

　この、「何故」の部分が、最近、ちらっと、見えるような気がしたんです。

　「宇宙的な穢れ」・・・これが、感覚的に訪れた・・・気がした訳です。

　だからって、この辺に、豹頭の勇者を出したりしませんが・・・

　ちょっと、似たシーンは、出るかもしれない。似せないように、頑張ってみますが・・・

　表現が、難しいな・・・語彙と比喩は、ここの世界観の物で、

　場面は未来、科学の粋の極み。あ、王様のいるところ、分かっちゃった

　　　　　では、また次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。