2012年02月11日
まる猫 新シリーズ その5
実は、この絵を見て、文を読んで、
さあは、ひっくり返るほど驚いた。
なぜか
あの、ぼんやり娘に、こんな負けん気が、
あると、感じた事がなかったから。
「今に見ておれウチかって」
そんなこと、おくびにも出した事ない子だった。
とろくて、抜けてて、周りについて行けないのが、
当たり前の子だった。
心のどこかでは、思ってたんだろうね。
このままで終わるものか
今に見てろよ、追いついて、追い越して、先へと行ってやるんだから
で、「今」って、いつなんだろうね
The Song of Wind (168)
「あの、石材の積み重なっている所まで、下がりなさい!
こやつの結界は、あそこまでだ!」
ケルビンの言葉に振り返ると、イーヴェルの、今通った道が、
青い小炎に点々と、示されている。
「早く!!」
「は・・・はい!」
まろびながら、イーヴェルが後退するのを、足音で
確認すると、ケルビンは、小炎を無数に増やし、
窪地の内部を、隅々まで、眩しく照らした。
水面に浮かぶ、黒い霧の塊が、くっきりと姿を現す。
イーヴェルに取り付こうとしていた、赤子のような形の、
霧の小塊は、その形を崩しながら、本体に戻ろうと、
砂地の上を右往左往し、幾つかは、ケルビンの小炎に、
突き当たり、焼かれて消えた。
だが不思議な事に、小塊が幾つ戻って、合体しようと、
戻らずに焼失しようと、泉の上の本体には、何一つ、
斟酌が無いらしい。ただ、敵に対して構える様に、
僅かに、後ずさっただけである。
ケルビンの眉間に火花が散った。
ほぼ同時に、黒い霧本体の表面にも、火花が走り、
ぶるぶると、全体が震えた。
幾らかは、ダメージがあるらしいが、致命傷にならぬ。
ケルビンは、電撃に加えて、小炎全てを、本体に向けて、
激しい勢いで叩き付けた。
しかし、全てが直撃しているにもかかわらず、
一つ二つが命中した時と、霧本体の反応は、変わらない。
二度、三度、四度と、総攻撃をかけるうちに、逆に、
霧の方が、ケルビンの手の内を読んだと見え、じわりと、
砂岸に近付いた。ケルビンは、距離を取ろうとしたが、
背後は、せり出した岩壁だ。充分な間隔は取れぬ。
その時、上が騒がしくなった。大勢の足音が近づき、
人声に、馬の嘶きまでが聞こえて来る。
「ここです!あのように怪しい光が、先ほどから、
激しく明滅しております。
間諜の報告により、ここの水を、飲食に利用して
おりましたゆえ、このような怪かしが起こるとは・・・」
人声と共に、泥と鉄の気配、汗と埃の臭いが漂い出し、
黒い霧は、それらに触れるのを、忌み嫌うかのように、
すぅ、っと、見る見るその体積を減らし、岩の隙間に
姿を隠してしまった。
人声は、パストリア軍に違いなかった。
ケルビンは、地上が人で埋まる前に、徐々に小炎を
減らして行き、これ以上怪しまれぬように、気を配った。
そして、石材の重なる一角に行き、静かに声を掛けた。
「ご令嬢殿、出て来られよ。怪かしは、一旦、退けたゆえ。」
石積みの後ろから、イーヴェルが、青白い顔を覗かせた。
続く
TVCMとの被りを、極力避けようとして、なんだか、かえってSF掛かってきちゃった。
ソルダムは、どこへ行ったんだろう。
グインサーガとも被りたくないし・・・「戦乱編」上手く書けるかな
ここに書いてる文体は、ノートの文体とも、原稿用紙の文体とも、違うから、
どうなるかわからないです。
ではまた次回今日も、お越し下さって、ありがとうございました
さあは、ひっくり返るほど驚いた。
なぜか
あの、ぼんやり娘に、こんな負けん気が、
あると、感じた事がなかったから。
「今に見ておれウチかって」
そんなこと、おくびにも出した事ない子だった。
とろくて、抜けてて、周りについて行けないのが、
当たり前の子だった。
心のどこかでは、思ってたんだろうね。
このままで終わるものか
今に見てろよ、追いついて、追い越して、先へと行ってやるんだから
で、「今」って、いつなんだろうね
The Song of Wind (168)
「あの、石材の積み重なっている所まで、下がりなさい!
こやつの結界は、あそこまでだ!」
ケルビンの言葉に振り返ると、イーヴェルの、今通った道が、
青い小炎に点々と、示されている。
「早く!!」
「は・・・はい!」
まろびながら、イーヴェルが後退するのを、足音で
確認すると、ケルビンは、小炎を無数に増やし、
窪地の内部を、隅々まで、眩しく照らした。
水面に浮かぶ、黒い霧の塊が、くっきりと姿を現す。
イーヴェルに取り付こうとしていた、赤子のような形の、
霧の小塊は、その形を崩しながら、本体に戻ろうと、
砂地の上を右往左往し、幾つかは、ケルビンの小炎に、
突き当たり、焼かれて消えた。
だが不思議な事に、小塊が幾つ戻って、合体しようと、
戻らずに焼失しようと、泉の上の本体には、何一つ、
斟酌が無いらしい。ただ、敵に対して構える様に、
僅かに、後ずさっただけである。
ケルビンの眉間に火花が散った。
ほぼ同時に、黒い霧本体の表面にも、火花が走り、
ぶるぶると、全体が震えた。
幾らかは、ダメージがあるらしいが、致命傷にならぬ。
ケルビンは、電撃に加えて、小炎全てを、本体に向けて、
激しい勢いで叩き付けた。
しかし、全てが直撃しているにもかかわらず、
一つ二つが命中した時と、霧本体の反応は、変わらない。
二度、三度、四度と、総攻撃をかけるうちに、逆に、
霧の方が、ケルビンの手の内を読んだと見え、じわりと、
砂岸に近付いた。ケルビンは、距離を取ろうとしたが、
背後は、せり出した岩壁だ。充分な間隔は取れぬ。
その時、上が騒がしくなった。大勢の足音が近づき、
人声に、馬の嘶きまでが聞こえて来る。
「ここです!あのように怪しい光が、先ほどから、
激しく明滅しております。
間諜の報告により、ここの水を、飲食に利用して
おりましたゆえ、このような怪かしが起こるとは・・・」
人声と共に、泥と鉄の気配、汗と埃の臭いが漂い出し、
黒い霧は、それらに触れるのを、忌み嫌うかのように、
すぅ、っと、見る見るその体積を減らし、岩の隙間に
姿を隠してしまった。
人声は、パストリア軍に違いなかった。
ケルビンは、地上が人で埋まる前に、徐々に小炎を
減らして行き、これ以上怪しまれぬように、気を配った。
そして、石材の重なる一角に行き、静かに声を掛けた。
「ご令嬢殿、出て来られよ。怪かしは、一旦、退けたゆえ。」
石積みの後ろから、イーヴェルが、青白い顔を覗かせた。
続く
TVCMとの被りを、極力避けようとして、なんだか、かえってSF掛かってきちゃった。
ソルダムは、どこへ行ったんだろう。
グインサーガとも被りたくないし・・・「戦乱編」上手く書けるかな
ここに書いてる文体は、ノートの文体とも、原稿用紙の文体とも、違うから、
どうなるかわからないです。
ではまた次回今日も、お越し下さって、ありがとうございました
脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)
│ファンタジー