2012年02月04日

まる猫 新シリーズ その2

まる猫 新シリーズ その2 ・・・我が愚娘kao_12

 kao_01マンガも描いてる筈なんだが、

 小鳥と猫の、位置とセリフが、

 逆じゃないかと思う。kao_23

 実は、この図案と似てるのが、

 さあの、縮緬細工にある。kao_16

 うさぎの耳に、トンボの止まってるの。

 うさぎは眠くて、耳を下げたい。

 でも、トンボの為に片耳を立ててる。

 って言う図。(2010.10.24.)

 盗作?いいよ。親子だもん。


    The Song of Wind (165)

 「おかえりなさいませ、お兄様。」

 突然の城主の帰城にも、何一つ、取り乱した様子を

イーヴェルは見せない。

 質素な、流行おくれの象牙色のドレスに、前回の、

初夏の祭りに帰省の際に、都みやげと言って贈られた

翠緑石のブローチを留めただけの、飾り気の無い姿である。

 兄のイヴェルトは、眉をひそめた。

 「もう少し、晴れやかにできぬか。

  この城も、お前の貧相さにも、息が詰まる。

  今回は急で、たいした土産もないが・・・

  それと一緒に買ってやった、薔薇色のドレスは?」

 「あれは・・・季節が外れましたゆえ・・・

  ・・・真夏の物ですもの。」

 イーヴェルは、派手すぎて好みに合わぬと、言いかねて、

口ごもりながら、弁解した。

 イヴェルトは、鋭い舌打ちの音を残して、足音荒く、

広間の螺旋階段を、上がって行った。

 居並ばされていた使用人達は、持ち場に戻るために、

三々五々、散って行った。時は夕刻。

 晩餐の支度に、忙しい時刻である。イーヴェルは、

家政の指図ばかりでなく、兄の引き連れた、

ラゥオールフィア三王女捜索隊の、労いの為にも、

様々に気配りをし続けた。席の温まる暇がない、とは、

彼女のための言葉かと思うほど、イーヴェルは立ち働き、

合間に、きちんと晩餐会にも出席した。

 捜索隊の隊長も列席するので、先程よりは、

やや飾りの多いドレスに、着替えていたが、それでも、

イヴェルトを満足させるには、不充分だった。

 「田舎染みた料理に、田舎染みたお前の格好!

  客人のいるときくらい、何とかならぬか!!」

 なんとか、と、イヴェルトは言うが、どうしろ、と言う指図は、

一切しない。イーヴェルは、自分の才覚に、頼るしかない。

 やがて、会議が始まると、イヴェルトは妹を解放した。

 明朝から、城周辺の捜索が始まるのだ。

 地図を囲み、眉根の寄る話の後ろで、イーヴェルは、

黙って兄の居間を辞し、階段を降りた。

 そのまま、一旦、片付けの済んだ厨房へと、入って行く。

 そして唯一人で、コックも女中も呼ばず、料理を始めたのだ。

 その様子は、伯爵令嬢とは思えぬほど、手馴れており、

一刻ほどで、大振りなワゴン一杯の料理が、仕上がった。

 イーヴェルは、後を完璧に片付けると、ワゴンを滑車の付いた

台に乗せ、かなりの力を込めて、ロープと滑車を操り、

ワゴンを地下へと、下ろして行った。

 本来この台は、地下の食料庫から、食材を運び上げ、

更に、上階の広間や食堂へと、料理を運び上げる物だが、

イーヴェルは、逆に地下へ、料理を運び降ろしたのだ。

 台が地下に着くと、イーヴェルは階段を降り、台から

ワゴンを押し出した。そのまま、食料庫を突っ切り、

目立たぬ角の隙間から、地下道へ入り、歩き始めた。

 どれ程、暗い中を進んだのか、道はついに鉄格子の嵌った、

大扉に行き着いた。鍵を開け、ワゴンを押入れ、更に進む。

 と、瀟洒な白い飾り扉が現れた。鍵は掛かっていない。

 軽くノックをし、返事を待たずに、中へ入る。

 中は、豪華に飾り付けられた、女性用の居間であった。

 眩しいほど、蝋燭や灯火が、灯されている。

 「お食事でございます。」

 イーヴェルの声に、寝椅子から起き上がったのは・・・

 ・・・ラゥオールフィア三王女の三女、ルシア姫だった。

                  続く


 kao_16やっぱり、いたんだ。三王女は、ディールヴァ城に。・・・って言う事です。

 「滑車つきの台」についてですが、つまり、エレヴェーター。icon22kao_13

 結構、古城にもありました。一応、ライン川沿いのお城王冠なんかも、見てきたから。

 もちろんicon12icon09icon12人力です。・・・リフト、と言うべきかな。

  では、また次回。icon06kao06icon06今日もお越しくださって、ありがとうございました。
  



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(2)ファンタジー
この記事へのコメント
おはようございます!Lantanaです(^^)
いや~まる猫ちゃん かわいい~~♪  言葉が逆なのも有りでいいと思いますよ~~「風の歌」途中からですけど 吸い込まれるようなストーリーで面白いです!!本にして出版とかされないのかしら?
絶対 私 買うのに~~~もう少し 時間が出来たら 最初から読破させていただきますね(^^)p楽しみにしていま~す
Posted by LantanaLantana at 2012年02月04日 10:22
Dear Lantanaさん
本になったら?いいなあ・・・それより、実は、RPGになったらいいなって、思ってます。
 出版・・・自費では、無理!!この長さだもん。この前の、「碧氷窟の双生児」なら、
できるかも・・・の長さですが・・・
 始めの方にも、トリック満載!!(の、つもり)読んでみて下さいね!!
 
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2012年02月06日 11:45
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