ぶるんねん文庫

　　　　　　　　　　　

　こごまには、二度目の冬。

　ストーブの前が、指定席。

　隣にチラッと写ってるのは、ファンヒーター。

　これの前に、座布団を敷いてやっても、

　全然座りに来ない。

　この、旧式のストーブが、いいみたい。

　実は、さあも、こっちが好き。

　お湯も沸くし、カレーも煮えるし。

　ね　


　　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１６２）

　「ニグ・・・どう言う事だ？

　　なぜ、ここで、そんな格好をしている？」

　ニグは、険しい眼差しで、ソルダムを凝視した。

　「なぜ？・・・それは、私の方が、聞きたい事だ。

　　なぜ、あなたは、私のやろうとする事に、

　　いちいち、関わって来るのだ？

　　その剣を守って、自由国境地帯を、うろついていて

　　くれれば、それで良かったのに、なぜか、あなたは、

　　アルテミシアから、聖域にまで、出かけて行き、

　　挙句に、のこのこと、ヘリアンタにまで現れた。

　　どうにかして、国へ帰らせようと、あれこれ画策しても、

　　あなたは、少しも乗って来ない。

　　とうとう、こんな南の城にまで、やって来て、

　　私の、秘密の領域にまで、踏み込んで来た。

　　もう、許す訳にはいかない。」

　するり、と、背の大剣の、結い紐が解けた。

　はっ、として、ソルダムは、大剣を押さえようとしたが、

間に合わなかった。

　宝の大剣は、宙を飛び、ニグに渡った。

　と、同時に、激しい気合を込めて、ニグの右手が

ソルダムに向かって、突き出された。
　
　凄まじい「気」に突かれ、、ソルダムの身体は、

後ろに飛ばされた。後ろには、石の台座がある。

　激突する！と、思った時、ソルダムは、

自分を取り巻く、濃い、黒い霧に気付いた。

　それは、普通の霧の様に、細かい何かで、

出来ているのではなかった。

　何も無いが故に、ただ黒い・・・

　黒い石の部屋も、台座も、最早ない。

　ソルダムは、何も無い、闇の空間に飲まれながら、

冷たい、だが悲しげな、ニグの眼差しを見た。

　・・・昔々、サフィール神殿にいた頃から、この様な事を、

画策していたのか・・・

　疑問を発する間は、無かった。ソルダムは、闇を墜ち、

背が硬い物に、当たったのを感じ、急いで起き直った。

　その時の驚きは、とうてい言葉に出来ぬ。

　四方に延びる、灰色の古い石壁の通路。

　壁の切れ目からは、また、通路が、延々と続く。

　「迷路・・・？」

　黒い石の部屋から、どうして、こんな迷路に来たのか。

　何も分からぬ。だが、とにかく、ここから出なければならぬ。

　明かりは、高い天井に、所々開いた、天窓から入っている。

　日の暮れぬうちに、行ける所まで行かねば。

　ソルダムは、歩き始めた。

　　　　　　　　　　続く

　せっかく、ブログをお休みして、時間を作ったつもりだったのに、

　去年は、それで、うまく行ったのに。やっぱり、外の仕事は、疲れるんだな。

　アンデルセン童話大賞。応募し損ねました。書き上がらなかった

　・・・がっくり・・・落ち込んでます。

　ストーリーは出来てたし、下書きも設定も、出来てた。でも、書けなかった。

　・・・詰めが甘かった。最終下書きで、甘い所が、続々出て来て、進まなくなって、

　時間切れ。・・・・・嗚呼・・・・・こっちは、頑張りますので、どうか、見捨てないで下さい。

　　　では、また次回。今日もお越しくださって、ありがとうございました。