ぶるんねん文庫

　実体モデル君は、『おうさま』より『おおちゃん』と

　呼ばれてるそうですね。

　この似顔絵は、（イラストとは言えない）

　ちょっと、デフォルメしてますが・・・

　一番格好良くあって欲しい、ファン心理。

　この物語が、メジャーに為る事は、まずない。

　（なりたいけど・・・）

　つまり、彼らに関われる事も、まずない。

　だったら、これ位は許されたい

　Jの関係者に、告げ口だけは、ご勘弁を


　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１５１）

　夜が来た。自然に、燭台の蝋燭が灯る。

　外の明るさが、違うだけで、薄緑の室内に変化は無い。

　籠に捕らわれた、野の小鳥のように、窓から窓へ、

逃れる術を探して、二人は時を過ごしたのだ。

　「どうにも、しょうがないよ。寝よ。

　　明日、また、考えよう。」

　ミランは、さっさと紗布の襞の間に、潜り込んでしまった。

　少女は仕方なく、自分が朝に目覚めた寝台に、横たわった。

　ミランの寝息が聞こえて来ると、いつの間にか、蝋燭の灯は、

次第に細くなり、一つを残して、消えて行く。

　薄闇の中で、少女は目を開けて、じっと天井を見つめた。

　自分も、どこかへ行こうとし、何かをしようとしていた。

　しかし、少女のその思いは、確固たる形にならず、ただ、

落ち着かぬ気分として、もやもやと、立ち昇ってくるのだった。

　その時、雨の合間に、光るものがあった。

　と、同時に、ゴロゴロと言う雷鳴が響いた。

　少女は、はっとして起き上がった。雨が上がっている。

　雲は晴れていない。重苦しい、低い雲間に稲妻が光る。

　少女は、視界を求めて、観葉植物に埋め尽くされた、

テラスに出た。周囲は見渡せないが、上空は開けている。

　稲妻に戯れるように、黄金の鱗煌めく、ドラゴンの姿があった。

　黒雲の群れる中を、稲妻を追い、見え隠れする異形の姿が、

少女の目に映った途端、その脳裏を、凄まじい衝撃が襲った。

　「見つけた！！ドリス！分かるか！？
　　
　　私だ、アルフィーニだ！！

　　ミランの波動も捉えた。二人共、そこにいるのだろう！！

　　ドリス！答えてくれ！！」

　耳に聞こえる声ではない。脳を直接叩きつける、激しい叫びだ。

　ドリスは、耳を覆って、うずくまった。

　訳が分からない。ドリス・・・ドリスとは、誰？

　言葉ではない叫びが、ドリスの喉から迸る。

　ミランが飛び起きた。テラスのドリスに駆け寄る。

　「どうしたの？何してるの？」

　ドリスは、恐怖に満ちた目で、上空を指した。

　「・・・ドラゴン・・・？

　　あれ・・・見た事あったかも・・・夢で、かな？」

　「ア、アル・・・フィーニ・・・」

　「え？何、喋れるようになったの？

　　なんて言った？アル・・・？」

　ドリスは、自分が、自分を失っている事に、ようやく気付いた。

と、同時に、それが、いかに恐ろしい事かに、思い至ったのだ。

　混乱と恐怖の渦が、ドリスを襲った。堪らずに叫び、泣き喚く。

　ミランは、髪を掻き毟り暴れる身体を、しっかり抱きとめた。

　そうしないと、テラスの石の床に、頭を打ち付けるか、

手すりを乗り越え、洪水の上へ身を躍らせるか、しかねなかった。

　ドラゴンは、城の上空を旋回しながら、テラスに向かって、

降下して来た。その赤金色の目が、ミランをはっきり捉えた。

　「ミラン！！」

　ドラゴンが、大声で、青年の名を叫んだ。

　その時だった。激しい轟音と共に、青紫の光の矢が、

ドラゴンを直撃した。頭部をかすめ、翼を貫通する。

　飛翔力を奪われ、ドラゴンが墜落してゆく。

　浸水を逃れた、高台の町の宿から、それを見ていた、

ソルダムとユーディスは、宿を飛び出した。

　「間違いない。アルフィーニだ。

　　城の向こうに落ちるぞ。行こう！助けるんだ！！」

　上空の雲間には、在り得ない光景が、生まれつつあった。

　天上の三日月。真実の月ならば、それは在り得ない。

　誰もが、我が目を疑い、再度現れぬかと、雲の切れ間を

探した。そして、人々が見出したものは・・・

　双つの、満ちつつある三日月、いや、美しい、が、怪しい

女性の巨大な顔の、それは、双眸であったのだ。

　　　　　　　　続く

　実は、この次のシーンで、王様はドラゴンに乗って、アネッサと戦う事に、してたんですが、

　「怪物くん」のCM見て、またまた被ってるので、やめました。

　ちょっと、ありきたりだな、と、思ってたので、かえって良かったかも知れません。

　代わりに、少し長くなりましたが・・・それに、重くなったかも・・・

　　では、また次回。今日もお越し頂き、ありがとうございました。