ぶるんねん文庫

　何を撮ったって！？って・・・

　こごまの、おやすみシーン。

　近頃、こごまは、パンの味を覚えまして

　ほんの一口欲しい。（１．５cm四方くらい）

　沢山はいらない。で、くれるのは、

　このオバハンであると覚え、

　やや警戒心を解いた模様。

　それで、ぱちり。

　ああ、やれやれ。


　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１３８）

　「ほしたら、バルツァードへの派兵は、何でやのん？」

　激昂を押し殺した声がした。シシィだ。

　西国訛りの強い、敬語抜きの語気は鋭い。

　「ソルダムは、急いで帰国して、バルツァードに向こうてる。

　　せやのに、何で軍隊なん？救援やなしに？

　　コーブリオンと、関係ないやん。今すぐ引っ込めてぇな。」
　
　「シシィ！」

　ケルビンが、静止しようとしたが、シシィは止まらなかった。

　鼻白んだ衛兵が、これ見よがしに、槍を構え直したが、

そんな物で、留められるような、様子ではない。

　「大地震の時には、放っとって、今頃、なんやの？

　　ソルダムが、どんな思いで、帰って行ったか。

　　いいや、火山の噴火と、地震と大水とで、

　　それだけやない、その前からの、崖崩れとかで、

　　疲れ果てて逃げ出した事、どれほど後悔して、

　　苦しんで、夜も寝られんほど、うなされて。

　　何んも知らんと、王様がおらんから、派兵やて？

　　暴動も一揆も、あんたの雇とぉた、参謀長のしたことやん。

　　参謀長の間諜を、あんたが引っ込めたら、済む事やん。

　　何で、すぐ引っ込めてくれへんの？」

　見かねて、ジャドゥビスが壁際まで、引き戻さねば、

ネレイド王に、掴み掛かっていたかも知れぬ。

　マヤリス妃も、泣き伏しそうになりながら、

必死に、シシィに加勢した。

　「本当に、何故ゆえでございますか？

　　伯母上様の、嫁ぎ先の国難に、乗じたようなお振る舞い。

　　決して、良いように言う者は、おりますまい。

　　一体、何故・・・」

　「その訳を、今、言わせるのか？」

　王は、ふいに威厳を正し、居並ぶものを睥睨して、断言した。

　「此度のバルツァード派兵は、ノーザンハイランド北西部の、

　　占領、及び、ルテシア併合を目的としている。

　　彼の地は、きわめて良質の、金鉱石の産地である。

　　この黄金を以ってすれば、クァランドールはおろか、

　　全世界をも配下に収められよう。

　　バルツァードは、ここ暫く、短命王が続き、

　　国策は、防衛一辺倒でありすぎた。

　　有り余る黄金を、地下に眠らせて、どうする？

　　まず手始めに、黄金で九峯聖堂を黙らせる。

　　そして、クァランドール皇帝位を請求する。

　　余には、その権利があり、力もある。

　　バルツァードがせぬゆえ、余が行う。それだけだ。」

　まさしく王者の威容であった。誰も、二の句はない。

　それでも、マヤリス妃は、最後まで食い下がった。

　「それは・・・ファーゴが・・・

　　あの僭上者が、陛下に吹き込んだ事なのでは？

　　己れを、法王に昇らせようと言う、畏れ知らずな

　　願望の一翼なのでは、ありませぬか？

　　陛下、よくお考えになって・・・」

　「逆だな。」

　王は、口元にだけ薄っすらと、笑みを浮かべて言った。

　「余が世界を欲したのだ。ファーゴは、それを実現へ向けて

　　道筋を立てて行ったのだ。

　　あやつの法王志願など、付けたりに過ぎぬ。」

　　　　　　　＊　　＊　　＊　　＊　　＊

　ネレイド王に、戦を思い止まらせる事が出来ず、一行は、

失意のうちに、一旦ジュノス邸へ、戻る事になった。

　ドリスの怪我が治り次第、まずは、東の樹海地方へ

出発せねばならない。

　アルナス后とミリカは、太陽宮に留まる事になった。

　タンベルディ地方は、戦場になる可能性が、高かったからだ。

　夜遅く帰り着いた、ジュノス邸で、その一行を待っていたのは、

思いがけない知らせだった。

　ドリスが、ミランを探しに、一人で西へ向かって、

出発してしまったというのだ。

　　　　　　　　　　　第二章終わり　第三章へ続く

　第二章、終わりました予定超過も甚だしい。１２５回の予定でしたが、なんと１３８回

　特に、この二回は、滅茶苦茶、時間掛かりました。ああしんど・・・

　ちょっと、２００回で、第三章を終わるのは、無理みたい。どこまで延びるかなぁ・・・

　戦乱編ですもんね。・・・怪物くん対デモキン・・・もとい・・・

　ソルダム対マチアスの一騎打ちやっぱり外せませんし、

　ミランの将軍姿も、さぞかし凛々しかろうし・・・えっどこの将軍かって

　そんなネタ晴らし、書けません。第一、今まだ、行方不明でしょミランは、一体どこに

　では、また次回★★★★★今日もお越し下さって、ありがとうございました。