ぶるんねん文庫

　Happy Birthday

My Dear Daughter

　せっかく、秋生まれなんだから、

　いっぺん、栗のケーキでお祝いを、って、

　予約してやったのに、

　「シンプルな方が、好きなのに」って、

　ブーブー言うから、苺のショートケーキも

　買いました。後ろに写ってます。

　でも、季節はずれの苺は、

　すっぱ～～い　　
　

　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１３７）

　ディールヴァ城。

　ルテシア建国期、クァランドール世界の東端、樹海を

住処とする、森の民に対抗するため、前線基地的に築かれた、

要塞城郭である。ただ森の民は、長年の間に、更に東へと、

移住していったため、現在、要塞の役は果たしておらぬ。

　城主のイヴェルト・ペトロス伯爵は、僻地の暮らしを嫌い、

ずっと、都暮らしである。領地に戻るのは、年の内、数日だ。

　ファーゴが好き勝手に使うには、打って付けだっただろう。

　昼過ぎに、王の居間に呼び集められた、ケルビン達は、

　城内の捜索結果を聞かされ、ともあれ、東へ向かう決断をした。

　「既に、ルテシア軍の捜索隊は派遣した。

　　城主イヴェルトにも、帰国を勧告した。

　　皆の国内の通行は、自由を保証する。調査もご自由に。

　　ただ、私は都を離れられぬ。

　　コーブリオン進攻の、指揮を執らねばならぬ。」

　この王の言葉を、ケルビン達は、驚愕の思いで聴いたが、

誰より驚いた表情を見せたのは、同席していたマヤリス妃であった。

　椅子からまろび立ち、王の膝元に取り縋った。

　「どうか・・・どうか戦だけは、お止めください。

　　決して、良い事は起こりませぬ。

　　ファーゴの、分を越えた企みは、潰えました。
　
　　陛下が、コーブリオンをお攻めになる名分は

　　もはや、立ちませぬ。

　　戦は、お止めになってくださいませ。」

　だが、ネレイド王は、厳然たる態度だった。

　「コーブリオンは、今や、歴史の一部となリ果てた。

　　九峯聖堂の主と言うも、名ばかりにすぎぬ。

　　クレーベスタ南部から、モーズロードン北西部まで、

　　自由国境などと、綺麗事を名付けているが、

　　要は無国籍、無法地帯。

　　山賊と怪しげな魔法使い共の、巣窟にすぎぬ。

　　聖域と、コーブリオン皇帝の、末裔を名乗る一族を、

　　ルテシアが保護し、クァランドールに統一帝国を築く。

　　いや、そうせねばならぬのだ。

　　世界は、ここだけではない。こんな小国が覇を争っていては

　　いずれ、共倒れになろうからな。」

　「それでも、九峯聖堂が、このままおとなしく、

　　屈しているとは、思えませぬ。

　　かの六神官の力は、絶大です。

　　いつか必ず、反旗を翻しましょう。

　　その時は、何となさいます？お言葉ながら、

　　陛下の法術では、彼らを統べる事など、到底出来ませぬ。

　　そうなれば、その時は、ルテシアの終わる日でございます。」

　マヤリス妃は、己れの魔力を使おうとは、決して言い出さぬ。

　いかに、強大な力を秘めてはいても、かの九峯聖堂に

増幅された六神官の力には、敵わぬのだ。

　それでも、ネレイド王はコーブリオン進攻を、

考え直そうとは、言わなかった。

　「現在のコーブリオン皇帝位は、空位のままだ。

　　国境も引けず、領地も定まらぬ、名目だけの帝国の皇帝を、

　　誰も、継ぎたくないからだ。

　　ならば、継ぐ権利を持ち、実力をも備えた者が、

　　帝位を請求するのは、当然であろう。

　　簒奪には当たらぬ。

　　むしろ、もっと早く、こうするべきだったのだ。

　　さすれば、近頃の各国の、天変地異の続発にも、

　　もっと簡単に、援助の手が、差し伸べられただろう。」

　　　　　　　　　　続く

　　　　　

　私、ジャドゥビスが、かなりの美男子という以外、余り登場人物の容姿について、書いてませんが、

セヴィリスが、ジャドゥビスに匹敵する、美男子だって事、お分かり頂けるでしょうか。

　だって、マヤリス妃が、かつて絶世の美少女で、それにそっくりって事は、・・・

　超絶美男子って事でしょどうです美男美女総ざらえ的ファンタジー

　　では、また次回今日もお越しくださって、ありがとうございました。