ぶるんねん文庫

　娘作、ドリス・ドルフュス

　やっと、書いてくれました。

　ちょっと、マンガっぽいかな？

　イメージ拝借してる女優さんとは、

　似てないけど、うれしいです。

　やっぱり、さあより、上手いでしょ

　この調子で、オリザ姫、描いてくれないかな

　なかなか、遅筆で、大学祭の展覧会も

　間に合わず、

　もう・・・


　　　Ｔｈｅ　Ｓｏｎｇ　ｏｆ　Ｗｉｎｄ　（１３０）

　ヘリアンタを、宣戦布告ぎりぎりに脱出した、

ソルダムとユーディスは、バルツァードへ向けて、

必死に馬を走らせていた。

　足の速い馬を換えながら、駆け抜ければ、ルテシア国境まで、

五、六日だが、夕刻の出発から、一夜明けると、街道の状況は、

がらりと、様変わりしてしまっていた。

　本街道は悉く封鎖され、殆ど、一刻ごとに検問所が

設けられていて、通行証の不備なものは、片っ端から、

禁足されているのが、遠目にもはっきり分かる。

　それらを避けて、わき道に逸れると、今度は集落の顔役が現れ、

見慣れぬ者を誰何する。

　それすらも避けると、もはや獣道すら見当たらぬ。

　表向きの出兵理由が、コーブリオン制圧であるから、

聖域側に進む事は、出来なかった。

　九峯聖堂と、その周辺は、真っ先に、無抵抗のまま、

ルテシアの勢力下に、入ってしまっていたからだ。

　「これでは、いつサフィールに帰れるのか、分からない。

　　どうすればいいんだ。」

　「仕方ありません。もともと、この国は十年ほど前から、

　　ずっと臨戦状態なんです。もっとも、今までは、

　　南側の穀倉地帯を、取り込もうと、してきたようですが、

　　パストリアも、抵抗戦力を強化して来ましたから、

　　そろそろ、もう、周りはいいから、本性発揮の時だと、

　　踏み切ったのでしょう。・・・ファーゴが・・・」

　「それは分かる。問題は、北へ帰るルートが、

　　全てふさがっている事だ。」

　「その事ですが・・・」

　ユーディスは、広げていた地図を、ソルダムに向けて、

一筋を、指でなぞって見せた。

　「急がば回れと言います。思い切って、南へ進み、

　　アルテミシアから、船で『真白き三日月』を渡り、

　　コーブリオン残存勢力下を、避けて北上し、

　　クレーベスタへ、西側から入って横断。

　　出国すれば、ガラノデルムは目の前です。」

　「そんな大回りを・・・」

　ソルダムは、眉根を寄せて、地図を睨む様に、仔細に見た。

　しかし今でさえ、宿に泊れず、野宿である。

　明け方は、冷え込むようになってきた。

　北国へ帰ろうと言うのに、こんな状況では、体力の消耗が

ひどくなるばかりだ。

　それに、戦況が、北と西へ向かっているのなら、

南方地域は、警戒態勢が、緩いかも知れなかった。

　「何日掛かるかな・・・」

　「半月・・・ひと月は、かからぬかと・・・」

　ソルダムは、頭を抱えた。道の分岐点は、すぐそこである。

　今、決めなければ、明日が進めない。

　「南へ・・・か。」

　天候の定まらぬ、この頃であるが、今宵の星空は、

降るような輝きであった。

　その星々の、高く昇り詰める方角を、ソルダムは見た。

　長い苦難の道が、待ち構えている予感があった。

　　　　＊　　＊　　＊　　＊　　＊

　離宮の呪いを、解き終えたセヴィリスは、急いで、建物の奥、

マヤリス妃の居室へ、向かおうとした。

　突然、その脳裏に、叩きつけるような衝撃が走った。

　アルフィーニの、悲鳴のような声が、耳にではなく、

頭の中に、直接響いてくる。

　「セヴィリス、来て！！ファーゴが現れた！

　　奴は、やはり唯の法術師ではない。

　　封印が解けたのは、感知した。すぐに来て！

　　急いで！！」

　長杖で、石の床を突き、屋根の破れ目まで浮上し、

壊れた梁や瓦の間をすり抜け、外に出ると、

ユリシアの発した、濃い霧の中に、オリザ姫とシシィが、

前庭を横切って、走って来るのが、気配で分かる。

　セヴィリスは、想いを振り切り、再び長杖で屋根を突き、

上昇飛行に入った。目前にドラゴンのアルフィーニと、

闇の魔人、ケルビン・ナルキサス。

　そして自分と同じく、十二節の長杖を携えた、小柄な男。

　一介の法術師から、大国ルテシアの、参謀長にまで

のし上がり、今また更に、クァランドールの法王に為らんと、

画策を止ます事無い、希代の野心家。

　ダトゥーラ・ファーゴに違いなかった。

　　　　　　　　　　続く

　・・・と、言う訳で、ソルダムはどこへ行き、誰に会い、どうやって〇〇するのでしょう

　何も、書けない。ネタばらしになるから。　

　　では、また次回今日も、お越し下さって、ありがとうございました。