2011年09月11日
こごま便り 10
何とか寝てる所を撮ろうと
ついに、主人に加勢を頼み、
背中をなでなで・・・
じーっと、ケータイを構えて
随分待ったんですが、
嫌いなおばさんが、
嫌な物を構えてると、
緊張して、寝てくれない。
でも眠いから、時折目をつぶる。
それで、やっと撮影・・・
The Song of Wind (113)
夕闇迫る空を、金色のドラゴンの背を目印に、必死にセヴィリスは
飛行し続けていた。
さして、速いスピードではない。
アルフィーニは、時折、蜘蛛男を脅している。どこかの隠れ家へ、
追い込もうと、しているようであった。
そここそが、多分、アルフィーニの「行かねばならぬ場所」
なのだろう。恐らく、アルフィーニの全てを奪った、赤い魔女、
ベルバビーノの蜘蛛使い、アネッサ・リーの本拠地だ。
セヴィリスは、激しい緊張を覚えた。
師匠のいない所で、魔法対決をするのは、初めてである。
水妖魔王に取り込まれた時は、ダルトンが来てくれる筈だと、
何処かに、油断があったかもしれぬ。
が、今度は違う。師匠は、遥か南の地で、毒薬の後遺症を、
養生中だ。ケルビンもいない。全くの一人で、法力を
揮わねばならない。
首の筋が張り詰め、痛みを呼ぶ。風の唸りが、耳鳴りになる。
藍色の空が、星々に覆われる頃、アルフィーニは、ようやく
森の木々の下に降り立った。
何時しか、平地の森から、山間部に差し掛かっている。
その山の麓に、一際高くそびえる、巨木があり、根元に、
洞窟が、黒い口を、ぽっかりと開けている。
化け蜘蛛男は、その中に逃げて、入り込んだ。
アルフィーニは、フーッと、殺気立った、物騒な息を吐いた。
が、すぐに洞窟に、追って入ろうとしない。
「ここかい、アルフィーニ?」
セヴィリスの問いに、ドラゴンは、やや首を傾けた。
ここではない、或いは、意外だと、困惑しているように見える。
「でも、ここへ入ったよね。見て来ようか?」
頷くのを見て、セヴィリスは、長杖の明かりを頼りに、
洞窟へ潜りこんだ。屈むか、四つん這いでなら、
通れる高さである。横幅はかなり広い。
アルフィーニが、首を下げて付いて来る。角が天井の土を、
削り落とす。中の蜘蛛男には、その音が聞こえている筈だ。
だが、何も抵抗して来ない、と思った瞬間、アルフィーニが、
セヴィリスの足首を捕らえて、自分の腹の下に抱きこんだ。
不意を衝かれて、セヴィリスは、ギャーッと、ひどい叫び声を
上げてしまった。ほぼ同時に、ジュッという音がして、
髪の焼ける様な、臭いが漂う。アルフィーニが、グゥッと呻いた。
強酸の毒液が滴り、たてがみと鱗を、焦がしたらしい。
生身のセヴィリスが浴びたら、大変な事だった。
「あ・・・ありがと、アルフィーニ・・・でも、大丈夫?」
セヴィリスは、ドラゴンの下から、這い出しながら、尋ねた。
ドラゴンは、今度は前足で、セヴィリスを押して来る。
毒液の、次の雫が落ちるまでに、さっさと、通り過ぎようと
言うのだろう。気付いたセヴィリスは、慌てて前進を再開した。
間に合わず、背びれと尾の鱗にも、雫は落ちてしまったが、
鱗の堅さのせいで、あまりダメージは無い。
だがこれで、あの蜘蛛男は、毒蜘蛛らしい事が判明した。
そう思うと、余り賢い罠ではない。手の内を先に
バラしてしまっている。
洞窟は、やや下降気味に続き、長杖の先の明かりに、
こころなしか、横幅が広がった、と思った時、
いきなり正面から、蜘蛛の頭が、毒のある顎を、横一杯に広げ
飛び掛って来た。
「ウワ―――ッ!!!」
喉が破れんばかりの大声と共に、セヴィリスは、後ろにいる、
アルフィーニを忘れて、ガバッと、平たく伏せてしまった。
アルフィーニは、更に突然、蜘蛛頭に対峙する羽目になる・・・
・・・はずだった。
だが、予想したドラゴンの吼え声は、起こらなかった。
代わりに、セヴィリスの耳に聞こえたのは、空しく宙を噛む、
化け蜘蛛男の顎の音と、ボトボトと、ドラゴンの口の端から、
唾液交じりの、大量の体液が、滴り落ちる音だった。
顎の動きはすぐに止まり、暫く痙攣していた、毛むくじゃらの
八肢も、程なく力を失った。
ドラゴンは、ペッ、と、少し離れた所に、死骸を放り、
その上に、口に溜まった、体液と唾液の混じった物を、吐き出した。
突然目前に、飛び掛ってきた敵を、ドラゴンは、避けもせず、
その鋭い牙ある口で、一撃の下、かみ殺してしまったのだった。
続く
すみません
化け蜘蛛男は何者かって、書く前に、殺しちゃった。
正体は、次回へ持越します。
もちろん、アルフィーニは知ってる訳ですが、
なにしろ、ミランがいないから、込み入った話ができない。
では、また、次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。
ついに、主人に加勢を頼み、
背中をなでなで・・・
じーっと、ケータイを構えて
随分待ったんですが、
嫌いなおばさんが、
嫌な物を構えてると、
緊張して、寝てくれない。
でも眠いから、時折目をつぶる。
それで、やっと撮影・・・
The Song of Wind (113)
夕闇迫る空を、金色のドラゴンの背を目印に、必死にセヴィリスは
飛行し続けていた。
さして、速いスピードではない。
アルフィーニは、時折、蜘蛛男を脅している。どこかの隠れ家へ、
追い込もうと、しているようであった。
そここそが、多分、アルフィーニの「行かねばならぬ場所」
なのだろう。恐らく、アルフィーニの全てを奪った、赤い魔女、
ベルバビーノの蜘蛛使い、アネッサ・リーの本拠地だ。
セヴィリスは、激しい緊張を覚えた。
師匠のいない所で、魔法対決をするのは、初めてである。
水妖魔王に取り込まれた時は、ダルトンが来てくれる筈だと、
何処かに、油断があったかもしれぬ。
が、今度は違う。師匠は、遥か南の地で、毒薬の後遺症を、
養生中だ。ケルビンもいない。全くの一人で、法力を
揮わねばならない。
首の筋が張り詰め、痛みを呼ぶ。風の唸りが、耳鳴りになる。
藍色の空が、星々に覆われる頃、アルフィーニは、ようやく
森の木々の下に降り立った。
何時しか、平地の森から、山間部に差し掛かっている。
その山の麓に、一際高くそびえる、巨木があり、根元に、
洞窟が、黒い口を、ぽっかりと開けている。
化け蜘蛛男は、その中に逃げて、入り込んだ。
アルフィーニは、フーッと、殺気立った、物騒な息を吐いた。
が、すぐに洞窟に、追って入ろうとしない。
「ここかい、アルフィーニ?」
セヴィリスの問いに、ドラゴンは、やや首を傾けた。
ここではない、或いは、意外だと、困惑しているように見える。
「でも、ここへ入ったよね。見て来ようか?」
頷くのを見て、セヴィリスは、長杖の明かりを頼りに、
洞窟へ潜りこんだ。屈むか、四つん這いでなら、
通れる高さである。横幅はかなり広い。
アルフィーニが、首を下げて付いて来る。角が天井の土を、
削り落とす。中の蜘蛛男には、その音が聞こえている筈だ。
だが、何も抵抗して来ない、と思った瞬間、アルフィーニが、
セヴィリスの足首を捕らえて、自分の腹の下に抱きこんだ。
不意を衝かれて、セヴィリスは、ギャーッと、ひどい叫び声を
上げてしまった。ほぼ同時に、ジュッという音がして、
髪の焼ける様な、臭いが漂う。アルフィーニが、グゥッと呻いた。
強酸の毒液が滴り、たてがみと鱗を、焦がしたらしい。
生身のセヴィリスが浴びたら、大変な事だった。
「あ・・・ありがと、アルフィーニ・・・でも、大丈夫?」
セヴィリスは、ドラゴンの下から、這い出しながら、尋ねた。
ドラゴンは、今度は前足で、セヴィリスを押して来る。
毒液の、次の雫が落ちるまでに、さっさと、通り過ぎようと
言うのだろう。気付いたセヴィリスは、慌てて前進を再開した。
間に合わず、背びれと尾の鱗にも、雫は落ちてしまったが、
鱗の堅さのせいで、あまりダメージは無い。
だがこれで、あの蜘蛛男は、毒蜘蛛らしい事が判明した。
そう思うと、余り賢い罠ではない。手の内を先に
バラしてしまっている。
洞窟は、やや下降気味に続き、長杖の先の明かりに、
こころなしか、横幅が広がった、と思った時、
いきなり正面から、蜘蛛の頭が、毒のある顎を、横一杯に広げ
飛び掛って来た。
「ウワ―――ッ!!!」
喉が破れんばかりの大声と共に、セヴィリスは、後ろにいる、
アルフィーニを忘れて、ガバッと、平たく伏せてしまった。
アルフィーニは、更に突然、蜘蛛頭に対峙する羽目になる・・・
・・・はずだった。
だが、予想したドラゴンの吼え声は、起こらなかった。
代わりに、セヴィリスの耳に聞こえたのは、空しく宙を噛む、
化け蜘蛛男の顎の音と、ボトボトと、ドラゴンの口の端から、
唾液交じりの、大量の体液が、滴り落ちる音だった。
顎の動きはすぐに止まり、暫く痙攣していた、毛むくじゃらの
八肢も、程なく力を失った。
ドラゴンは、ペッ、と、少し離れた所に、死骸を放り、
その上に、口に溜まった、体液と唾液の混じった物を、吐き出した。
突然目前に、飛び掛ってきた敵を、ドラゴンは、避けもせず、
その鋭い牙ある口で、一撃の下、かみ殺してしまったのだった。
続く
すみません
化け蜘蛛男は何者かって、書く前に、殺しちゃった。
正体は、次回へ持越します。
もちろん、アルフィーニは知ってる訳ですが、
なにしろ、ミランがいないから、込み入った話ができない。
では、また、次回。今日も、お越し下さって、ありがとうございました。
脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
付け足し・・・Quarandolleってなんだ?
ふしぎちゃん女子
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)
│ファンタジー