ぶるんねん文庫

　すみません

　次回、ストーリー動きます、と書きましたが、そんなに急転直下、しません。

　細かい所まで、お読み下さっている方には、「そこに、登場させたか！」と

　思って頂けるかと、思いますが・・・シリーズ終了決定した、刑事ドラマみたいには、

　したくありませんから・・・初っ端に、大災害やっちゃってるし・・・

　１１０回までには、動き出す、予定ですが・・・どうなるのか、もう、

　ヒーロー、ヒロイン達に、直接聞いて頂きたい位です。

　どうしたいですかぁ～～～って

　


　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（１０２）


コーブリオン・・・かつては、広大な領土を、

聖域の北に、占めていた、一大帝国であった。

　しかし、余りに行き過ぎた、中央集権と、民衆蜂起の続発、

さらに約三百年前から、相次いで興った、ルテシア王国と、

クレーベスタ王国に押され、衰退してしまったのだ。

　今は、ベルバビーノの南半分から、『真白き三日月』までの

僅かな山間地に、かつての栄華を、伝説に謳いながら、

王侯の末裔を、称する人々が、暮らしている。

　地理的には、もう一つの自由貿易都市、ルナンシアから、

モーズロードンへ、南に一直線の途上を占める。

　ある意味、目障りな位置にある、矮小国家に、今まで、

どこの国も、手出しをしなかったのは、一つには、

ベルバビーノの南半分を、未だに領有している為である。

　この町の北半分は、クレーベスタの首都だが、

南半分は、魔都・・・魔法使いの都である。

　ケルビンの家も、そこにある。そして、神話伝説の

主人公達が、未だにひっそりと、生き延びていると言う、

噂の絶えない土地である。

　そして、もう一つの理由は、この国こそが、九峯聖堂を

所有していると言う、事実であった。

　信仰の対象であるから、周辺諸国からの寄進も、

充分すぎるほど多額だが、コーブリオンには、

皇帝こそ、名乗らぬが、傍系の血筋が、厳然として存在し、

それこそが、九峯聖堂の認める、クァランドール世界の、

最高位者なのである。

　ファーゴの狙いは、コーブリオンの占領。

　そして、空位のままの皇帝位に、ルテシア建国期に、

コーブリオンから迎えた、妃の血筋を言い立て、

ネレイド・ヘリアンテスを、据える事なのだ。

　当然、九峯聖堂の、神官、僧侶等の根強い反抗に

遭うであろう。その為の、王の、法術修行であった。

　何も、ジョルジオ・ダルトンや、その師、レオン・ハイモス程の、

大法術師になる必要はない。

　ある程度の知識があれば、充分だ。九峯聖堂が認めれば、

それで充分、世界一の法術師と言える。

　ネレイド王の野心は、既に、これらに占められていた。

　マヤリス妃重態、或いは逝去かと言う騒ぎも、参謀長と言う、

壁に守られたネレイドを、深く動かす事は、なかったのである。


　マヤリス妃の、異変があった翌日、いくら虜囚の妃でも、

一国の王妃の逝去と言う、大事を後回しにするとは、

と言う、世評を他所に、コーブリオン派兵が、華々しく、

隊列を組んで、ヘリアンタを出発した。

　大通りに出て、珍しげに、行列を見物していたミリカは、

黒尽くめの装束に身を包んだ、大隊長の一人を指差して叫んだ。

　「マチアスだわ！！　マチアス・メイガンよ！

　　おばあさまを連れてった、マチアスが、

　　ルテシアの隊長さんに、なっちゃってるわ！

　　どういう事なの？」

　驚いたユーディスは、まず、ミリカの口を押さえて、

大急ぎで、その場を離れた。

　マチアスと言う名が、本当に盗賊として、広まっていたら、

大変だからだ。だがおかげで、ミリカは、もう一つの、

重要なものを、見損なってしまった。

　美々しく、隊長装束を煌めかせた、マチアスの、遥か後方の

伝令部隊の中に、もう一人、テオ・ニコルの姿も、あったのだ。

　　　　　　　　　　続く

　話が、変わりますが、私、

　近頃パン屋さんになりました。

　左のような格好で、

　やっております。

　写真は禁止ですので、

　またまた、下手な絵で、

　ごめんなさい

　　　では、また、次回。


　　　　　　

　　　　　　今日もお越し下さって、ありがとうございました。