ぶるんねん文庫

　主役、お休みです。Ｔ・・・・の、皆さんの、総出演

　カタカナが、多くて、申し訳ないので、説明させて頂きます。m( _ _ )m

　ルテシア・・・パリの、古名から採りました。ヘリアンタは、ひまわりの学名。

　ヘリオスが、太陽と言う意味です。

　だから、宮殿の名前が、「太陽宮」。ちゃんとつなげてます。

　ルテシア王、ネレイド・ヘリアンテス。・・・イニシャル、Ｎ．Ｈで、

　主役５人の実体モデルと、Ｔ・・・・のメンバーが、

　頭の上がらないタレントさんって、誰なんでしょうね。


　　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（９１）

　ミリカが心配したほど、アルナス后の扱いは、

悪くはなかった。縛られは、しなかったし、

打たれたり、引き摺られたりもしなかった。

　しかし、トニーは、始めひどく抵抗したため、

顔面を、マチアスに強打された上、成人男性だからと、

後ろ手に、縛り上げられてしまったと、使者が言う。

　ミリカは、鼻血を洗う事だけ、許されたトニーが、

小川に降りた所に、駆け寄り、

　「シドさんに、知らせて来る！」と、言い置いて、

そのまま、出てきたのであった。

　途中、山道で木靴を失い、夜露にまみれた頃に、

酷く転び、哀れな姿に成り果てていたが、館に着いて、

心尽くしの朝食を出されると、残さず平らげ、

思案にくれるシドに、早く助けに行ってくれ、自分も

タンベルディ村に、戻ると言って、聞かなかった。

　だが、矢継ぎ早に、人を指図して、出かけさせる様子に、

シドなりのやり方を、見出したのか、納得して、

静かになった、と思ったら、もう眠っている。

　「かわいそうに。親兄弟も亡くしているのに、

　　また、辛い目を見て・・・」

　シドの妻と母とが、その小さな体をくるんで、

ベッドに運びながら、涙をぬぐうのが見える。

　だが、シドの思案は、さらに遠いところにあった。

　この騒動を、ファーゴ参謀長が、知らぬ筈はない、

と言う確信である。

　何らかの形で関わり、利用しようと、動き出すに違いない。

ダルトンを逃がしたシドに、どんな見返りを、命じてくるか、

考えるのも、恐ろしかった。

　
　マチアス達は、村長を脅して、家を空けさせ、

トニーを物置に、アルナス后を、子供部屋に閉じ込めた。

　ミリカを取り逃がし、それが、ネルンブ村へ走った、

と言う事は、遅かれ早かれ、この騒動が、領主の耳に、

聞こえると言う事だ。一日の距離、とは、大人が昼間歩いて、

である。同じ領主を戴き、道は整備されている。

　子供でも、辿り着けなくは無い。

　ならばこれを、謀反のような、大罪にされては、叶わない。

　村人の小競り合いが、暴発しかかったのを、自分達が止め、

高貴なお方を、救い出した態に、しようと考えた。

　そもそも、避難民に、アルナス后が、お会いになるという

噂が流れたために、起こった騒動である。

　村人達は、井戸の修復と、避難民への対処、

アルナス后の、ヘリアンタ還御が叶えば、充分なのだ。

　あの城壁都市へ、行かれれば、会いたい者がいたとて、

おいそれとは、入市できはすまい。

　しかし、マチアスとテオは、ユーディスの存在を、

恐れていた。もともと、タンベルディ村は、

ユーディスの、父の所領である。アルナス王女付きが

決定したとき、背水を敷く心算で、館を取り壊し、

従兄弟の、シドの父に、全てを託したのだ。

　シドは、領主としては、悪い人物ではない。

　タンベルディ地方の、ほとんどを、領有するように

なっても、決して驕らず、田舎貴族に、徹している。

　だが、王妃付き貴族として、バルツァードで重用され、

都暮らしをして来た、ユーディスは、シドより、

驕った人物として、テオたちの目に映っていた。

　首都サフィールの悲劇は、いやと言うほど、喧伝されている。

　ここに、旧主の権利をかざして、タンベルド伯爵が、

戻ってきたら、タンベルディ村は、二重の支配を、

受ける事になる。年貢も、賦役も、二倍になるのだ。

　いや、シドより派手に見える、都貴族のユーディスでは、

二倍以上、三倍四倍の、負担を強いられるかも知れぬ。

　それは、避けたい。テオは、今回の騒動を機に、

他所には、偶さかあるという、王侯貴族による、多重支配を

全廃するよう、ネレイド王に、直訴したかったのだ。

　マチアスは、さらに上を見ていた。ここ、タンベルディ村を、

貴族の支配の、無い地域にし、人々の評議で、お互いが

お互いを治めたかったのだ。始めは、上手く行くまい。

　自分がまず、議長となって、皆をまとめたい。

　・・・それが、独裁的思想の、始まりである事を、

マチアスは、まだ、気付いていなかった。

　　　　　　　　　　続く

　　これは、ある方に

　プレゼントした壁掛けです。

　多賀町のパン屋さん。

　娘にプレゼントのイラストを

　描かせようとしたら

　例の如く、古ノートに描くから、

　アップリケキルトに、

　作ったんです。　

　やっぱり、顔がむつかしい。

　娘原作、やや私風・・・です。

　
　では、また、次回　　　　　　

　　　　　今日も、お越し下さって、ありがとうございました