ぶるんねん文庫

　やっと見つけた

　マンタのパステル画

　娘の作品です。

　大学へ行ってる隙に、

　急いで撮りました。

　水の絵は、難しいらしい。



　一昨年の絵なので、大目に見てやって下さい。
　
　
　ミリカちゃんの再々登場。Ｄ・・・村、もとい、タンベルディ村は、大騒動

　Ｔ・・・・のファンの方が、いらしたら、ごめんなさい。

　若い方のお二人、憎まれ役です。　　　　

　まぁ、リーダーを勝手に、妻帯させたりもしてますが・・・



　　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（８９）

　「ミリカ、落ち着いて。始めっから、順番に話すんだ。」

　どうやらミリカは、一晩かけて、野山を歩き通したらしく、

体は冷え、全身、擦り傷だらけである。

　シドは、馬上にミリカを抱き上げ、館へ急ぐ道すがらに、

話を聞こうとした。ミリカは、幼いながらに、口達者で

大人に分かる様に、話ができる子供だった。

　「この間から、村一番の、いい水の出る共同井戸が、

　　何回も濁らされたの。一度濁ると、十日くらい

　　使えないでしょう。それで、病人や、赤ちゃんのいる

　　おうちが困って、当番で見張ってたの。

　　そしたら、最近村に来て、森にテントを張って

　　住んでる人達が、夜の内に、底を浚うほど汲み上げて、

　　水の悪い村に持って行って、売ってる事が分かったの。

　　井戸には、替わりに池の水を入れて、誤魔化してたから、

　　たちが悪すぎるって、マチアスが、ものすごく怒って・・・」

　「バルツァードから来た人達が、やってたのか。」

　「そう。親戚同士、二軒で来たけど、あたしより小さい子が、

　　三人もいて、一人は病気なの。薬代が欲しかったんだって。

　　でも、避難民は、国へ帰れって、お達しが・・・」

　「そういう意味の、お達しでは、ないはずだが・・・」

　丁度、館へ着き、話を一旦打ち切ったシドは、ミリカを

妻に預け、急ぎ視察の者を、タンベルディ村へ派遣した。

　なにより、アルナス后の安否が、気がかりだった。

　仮にも、隣国の王母を、縄に掛けるなど、平時なら

とんでもない事である。今でも、オヴィディオ王は、

馬をとばせば、二刻ほどで、追い着く所にいるのだ。

　それに、王の行方探索の旅から、事態を知らぬ、

ユーディスが、いつ戻るかわからない。

　シドは、頭を抱えた。確かにルテシアには、天変地異は、

起こっておらぬ。が、タンベルディ地方は、思いがけない、

騒動の火種を、抱え込んでしまっているのだった。

　　　　　＊　　＊　　＊　　＊　　＊　

　聖域を目指す一行は、ケルビンの先見で、危険な目に

遭う事も無く、順調に進んでいた。

　もう少し、豊かな地域なら、かえって、山賊に出くわす

危険も、あっただろうが、南側を高い山並みに覆われ、

日照条件の悪い地域で、人々は皆、貧しい。

　その上、直接、地に触れぬ仕事を、忌み嫌う風習で、

商売を営まないから、宿屋もないし、市も立たない、と、

教えてくれたのは、シドである。

　賊にとっては、ありがた味がない地域なのだ。

　たまに来る旅人が、まとまった現金を置くと、

行商人が嗅ぎつけ、生活必需品を、売りに来る。

　だから、多少のお金は、入り用と見えて、宿を拒む家は無い。

　清貧に、緩やかに徹していると、言うべきなのだろう。


　行き道に辿ったので、道順は、確かだった。

　四日ほどで、山麓の合間に、白い丸屋根が見え、

その翌日には、聖堂の最寄の村に到着した。

　ここだけは、村外れに、きちんとした宿屋がある。

　各地の有力者の参詣や、寄進の使者の宿泊を、

充て込んだらしい。宿の主人は、もう四代目なのに、

耕さぬ家だと言って、未だに、余所者扱いされると、

苦笑混じりに話した。

　ここからは、乗り物は禁止である。

　アルフィーニを宿に残し、オリザ姫は、不安一杯のまま、

山道に踏み出した。幸い、石と丸太で、整備はされている。

　旅の間に、オリザ姫の方も、幾分は鍛えられた。

　時々は、ドリスやケルビンの手を、煩わせながら、

オリザ姫は、懸命に歩を運び、一行は、恐らく一般人の

倍以上の時間をかけて、聖堂へたどり着いた。

　九峯聖堂。

　周りを五つの塔と、四棟の建物に取り巻かれた、

白亜の、ドーム型建造物である。

　真北だけは、建物が無く、ただ白い石畳が、敷き詰められている。

　その何も無い、白い空間に、一人の黒衣の尼僧が、

ひっそりと、一行を出迎えていた。

　　　　　　　　　　続く
　
　建造物の外観、内装、すべて、想像の産物です。　　

　でも、お手本が皆無ではない。今までの見聞、総動員して創ってます。

　惜しいのは、絵が描けない事。いや、少しは描くけど、時間がかかる。

　娘は、流石に速い。でも、描いてくれない。

　　　　　　では、また、次回　

　　　　　　　　　今日も、お越し下さって。ありがとうございました