2011年07月13日

満開!!!

満開!!! 庭の紫陽花で

 何日引っ張るんだろ。kao09kao01kao09

 でも、去年より

 色が濃いです。kao08kao06kao08

 なんでかなぁ・・・iconN05iconN04iconN05


 ファンタジーは、

 ミランのセリフに注意iconN04kao_16iconN04

 TVのセリフkao10

 そのままです。kao_19icon06



    The  Song  of  Wind  (86)
 
 オリザ姫は、シドの妻の、若い頃のドレスを借りて、

一応、晩餐に相応しい装いで、食卓についていた。

 シシィだけは、一瞬ちらりと、羨ましげな表情を見せたが、

隣の席に、案内を無視して、ソルダムが座ったので、

機嫌を直す事に、したようだった。

 田舎屋敷の事で、シドの妻と母親は、女中達と共に、

給仕に当たり、催主は、シドのみ。主賓にオリザ姫を置いて、

晩餐は滞りなく、運ばれて行った。

 ラゥオールフィアの王宮のように、山海の珍味を、山と積んで、

とは、行かないが、この鄙の山奥で、出来る限りの御馳走が、

並べられている。一つには、夏場の事で、用意した食材を、

使い切らねば、保存が、難しいせいもあった。

 だから、さすがの若者達の胃袋も、最後の料理の皿が

下げられる頃には、すっかり満足し切っていた。

 やがて、食後のお茶や菓子類が、運ばれて来た。

 貴重な、氷室の削り氷をかけた果物には、皆、目を見張り、

ミランは、配膳の終わるのを待たずに、スプーンを手に取り、

 「食べていい?」と喚いて、隣のシシィに、

テーブルの下で、思いっ切り、足を蹴られた。

 だが、それらの、給仕が始まる頃から、オリザ姫の様子が、

目に見えて、落ち着かなくなった。

 そわそわと、部屋の隅々を見回したり、お茶を注ぐ

女中達の、手元を凝視したかと思うと、目をやたらと、

瞬いたり、こすったりする。

 「姫様?」

 隣のドリスが、いぶかしんで、声を掛けた。

 その時には、皿は皆に届き、人々はカップや

スプーンを手にし、早々と、口を動かしている者もいたが、

オリザ姫は、見開いた目に恐れを宿し、その人々の、

顔を見比べている。

 「どうかしましたか、姫?」

 ケルビンの問いが、きっかけを作ったかの様だった。

 オリザ姫は、ガタッと、椅子を下げ、腰を浮かせながら、

声を震わせて叫んだ。

 「おお・・・食べてはだめ!皆、食べないで!

  テーブルを、黒い霧が覆っているわ!!」

 部屋の中の、全てが、凍て付いた。

 その中で、一人、ごくりと口の中の物を、

飲み下した者がいる。その音を、全員が注視した。

 ダルトンだった。手に、例の焼き菓子を持っている。

 ソルダムも、手元の皿に、同じ物を取っていたが

まだ口にしていない。と、突然ダルトンは、

呻き声と共に、昏倒した。

 「師匠!!」

 セヴィリスが駆け寄る。ケルビンが叫んだ。

 「皆、食べるな!手を置け!お茶も飲むな!!」

 全員が、立ち上がるより早く、ソルダムが下座から

シドの傍らに立っていた。手に短剣を抜き、

シドの喉元に、突きつけている。

 「シド!説明してもらおう。どういうことだ?」

 シドは、この事態を、予測していたのだろう。

 固く口をつむり、答える気配が無い。

 「ジャドゥビス!奥方を押えろ!!

  何が何でも、口を割らせる!」

 普段のソルダムなら、絶対にこんな事を、言うまいと、

誰もが思った。それほどソルダムは、怒り、また、

ジャドゥビスも、咄嗟に動けぬほど、動揺していた。

 その、一瞬の躊躇の間に、シドの妻が変貌した。

 口が裂け、黄色に光る目が、顔中に現れ、

毛むくじゃらの手足が、八本に増え、見るも恐ろしい、

大化け蜘蛛となって、オリザ姫に襲い掛かった。

 ドリスが、必死にオリザ姫を、庇おうとしたが、

彼女も、晩餐の席ゆえ、短剣しか帯びていない。

 ミランが、飛び鎌を投げた。

 「馬鹿!なんて事を!!」

 やっと、我に返ったジャドゥビスが、飛び鎌を

叩き落そうとしたが、テーブルに阻まれて、間に合わない。

 飛び鎌は、狙い違わず、大化け蜘蛛の胴体を、

ぶった切ってしまった。

 「フォリア!!」

 シドが悲痛な叫びをあげた。

 だが、両断された蜘蛛は、黒い霧を立ち上らせて、

そのサイズを、縮めはしたが、蜘蛛以外の物に、

変じはしなかった。

 ケルビンが近づき、調べて言った。

 「こいつは、ここらの森に幾らでもいる、

  赤腹蜘蛛だ。奥方に化けていたらしいな。」

 「では・・・フォリアは・・・妻は・・・」

 シドは、うろたえ、立ち尽くしている。

 その時には、もう、館の内外は、巨大化した多数の、

化け蜘蛛に、占拠されつつあった。

          続く


 蜘蛛の化けモンなんて、定番過ぎるのですがkao_01、第三章との絡みがあり、

どこかで蜘蛛さんにkao_12、お出まし頂いて置く、必要があったので、

早い目に登場させました。kao11kao12kao11

 それにしても、シドさんの奥さん、どうなったんでしょう。kao_3

   それは、次回で・・・iconN08ハートiconN08

      今日も。お越し下さって、ありがとうございました



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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