ぶるんねん文庫

　　　　　　　　　　　　　
　
　Ｙｅａｈ！！！
　
　ちょっと、浮かれてますね。やっと、主役５人の再登場です。


Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（８４）

　アルテミシアから、「真白き三日月」湖の円弧の

内側へ入ると、途端に、街道は途切れ、関所も無い代わり、

整備された宿場街も、道標すらもなくなった。

　旅人が泊る時は、集落へ入り、人を泊めてくれそうな、

家を探して、その都度、交渉しなくてはならない。

　通行証を持たぬ旅が、いかに大変なものか。

　もう少し、風体が怪しければ、山賊と間違えられ、

いくら僻地でも、村人の誰かが、どこかの役場へ走り、

　「これこのような者共が、宿を求め居る」と、

通報されてしまうところだが、余程、世事と隔絶された

地域なのか、それとも、ありがたいことに、近寄り難い、

人品卑しからぬ一行であるのが、そこはかとなく、

滲み出るのか、一度も、剣を持った者に、

追われる事態は、起こっていない。

　やがて南側を、険しい山並みが、埋め尽くす。

　峻厳な高山の頂上が、九つある。

　これをクァランドール九神になぞらえ、

人々は信仰する。彼方に見える、山の中腹に、

九峯聖堂という、白亜の聖堂があり、そこまでが、

人の領域の限界。その先は、人と名付くる者の侵踏を、

一切許さない、文字通りの聖域である。

　・・・という説明を、ダルトンに聞かされながら、

　一行は、数知れぬ峠を、一つ一つ、越えて歩いた。

　だが、野宿と雑魚寝が続くうち、オリザ姫の体力は

見る見る落ち、とうとう、アルフィーニの背に、

揺られる事も、適わなくなった。熱も高い。

　次の宿の確保が、定かでない旅である。あと何日、

野宿になるか、わからない。もう限界だった。
　
　「この山を越えれば、タンベルディ地方だ。

　　私が先行して、迎えを出してもらおう。」

　ソルダムが一行を離れ、山道に分け入った。

　セヴィリスが、単独行動は危険だと、後を追う。

　四方を山に囲まれ、夏の午後の日差しも、すぐに

峰の向こうに、暮れかかる。夕闇がせまり、道が暗くなって行く。

セヴィリスは、長杖に灯を、ソルダムは、小さなカンテラを灯した。

　二人が、細い獣道を、やや切り開いた程度の、

険しい道を、辿って行くと、少し先の開けた所に、

幾つかの松明が、揺れている。

　「山賊？」

　「・・・にしては、統制が取れているようだ・・・」

　その中の数騎が、木々の間に、分け入るのが見えた。

　向こうも、ソルダム達の明かりに、気付いたらしかった。

　「オヴィディオ陛下で、あられますか」

　突然、呼びかけられ、ソルダムは焦った。

　「・・・そうだ。が、そちらは・・・」

　一人が馬を降り、進み出た。

　「お久しゅうございます。シド・ジュノスです。」

　「シド！・・・もう、五、六年ぶりか。

　　それにしても、なぜ私の来ているのが、わかった？」

　「こちらにも、魔術師はおります。難儀されている

　　ご様子にて、お迎えにあがりました。

　　他の方々も、魔術師の案内にて、迎えが行っております。

　　すぐに追い着かれましょう。まずは、拙宅まで、

　　御出で下さい。」

　確かに、山道を大勢が登って来る、足音や人声が

近づいて来ていた。お陰で、ソルダム達は、

その次の夜を、迎えぬうちに、南タンベルディの、

ネルンブ村にある、ジュノス伯爵の館に、

入る事が出来たのだった。


　その二日前の、夜の事。

　夕食後、書斎に入ったシドは、飛び上がるほど、驚いた。

　窓辺に、十二節の長杖の先を、青く光らせた、小男が、

立っていたのだ。

　「ファーゴ参謀長閣下！」

　シドは、慌てて跪いて礼をしたが、ファーゴは、

用件以外の口をきく気は、ないようだった。

　「計画を変更する。明日、南東の峠の向こうに、例の

　　一行が到着する。館に迎えとらせ、全員禁足せよ。

　　ダルトンだけでなく、な。」

　　　　　　　　続く

　
　うちの紫陽花

　一本だけど

　二色咲きます。

　これは、ピンク

　どうやら、ウチの側は

　薄紫で、お隣側が

　ピンクらしい。

　　咲き始めは

　こんな感じ

　「ＧＲＥＥＮな

　あじさい」

　紫陽花の漢字が

　ちょっと違うかな

　・・・



　　　　　　　では、また、次回　　　

　　　　　　　今日も、お越し下さって、ありがとうございました。