2011年07月06日

着物の作り方 その9

着物の作り方 その9 中綴じをいれます。

 表裏の縫い代を合わせて、

 ひと目落しで縫います。iconN37

 糸は、ゆるゆる。kao_16

 これを、背中心と脇にいれます。kao10












    The  Song  of  Wind  (83)

 書棚の裏に回り込む、階段と言うより、梯子に近い、

狭い昇り段の先には、荘厳な城郭に、似つかわしくない、

粗末な、石壁むき出しに見える、修行部屋があった。

 勿論、粗末は、見せかけである。半ば洞窟を利用した、

隠者の庵をイメージして、城の一室を、改造したのだ。

 最初、ファーゴは、この偽粗末に、顔をしかめたが、

王は、至極ご満悦だった。ここで星辰について習ったり、

瞑想に耽ったり、しようと言うのであった。

 いきおい、ファーゴも、気に入らずとも、

出入りせねば、ならなくなる。

 だが、十年も経つと、慣れてしまった。

 ファーゴは、払っても払っても、纏わり付く、陽の気に、

心を閉ざしながら、王の指し示す、星辰盤の前に立った。

 そこには、金色で描かれた、王自身の星々と、

その上に撒き散らされた、十個の玉石があった。

 不吉な命名が、紙切れに記されている。

 『血の紅、炎の朱、貧しき黄金、稚き緑、非動の青、

人為らぬ紫、闇の黒、無明の藍、知無き白、無力な水晶』

 しかし、その内の「無明の藍」は無く、換わりに、

薄霞をそのまま、玉石に固めたような、半透明な石がある。

 「これだ。先程、一旬先の星辰を、読もうとして、

  障りのもの共を、置いて見たら、見る見る色が

  変化した。驚いたぞ。こんな事が、度々あるものなのか」

 ファーゴは、その、半透明な石を、手にとって見た。

 手燭の灯を反射して、それは、月の光のように、煌めいた。

 「石の質的には、変化がありませんな。ただ、色が

  抜けたと言うだけで・・・」

 「石の色が、度々変わるのかと、聞いておるのだ。」

 ネレイド王は、苛立ちを隠さない。

 「そちは常々、色にも意味があると、申しているではないか。

  藍色は、黒に順ずる、無明の色と。」

 「確かに。ですが、割れたり、ひびが入ったりでなく、

  色そのものが、変化する事は、珍しい、と言うより、

  あまり、例のない事です。」

 王は、例の無い事が、自分の部屋で起こって、

満足を覚えたらしかった。傍らの、毛皮を掛けた椅子に、

腰掛け、ファーゴの次の言葉を、待っている。

 「いつの事を、占われました?」

 「来月だ。」

 いらえは短い。

 「その前に、何かご覧になられましたか。」

 「今日明日の事だな。どの石も、私の星に、かすりもせず、

  ただ西へ向かっていた。障りだの、祟りだのと言うから、

  気になったが、この分では、たいした事なさそうだな。」

 「それなら、よろしいが・・・」

 ファーゴは、気掛かりだった。

 十個の障害の星とは、三旬節前、ラゥオールフィアを出発した、

九人と一頭の、一行の事である。

 当然、黒い霧のその後を調べ、もっと速いスピードで、

ルテシアに、入ってくると思われたが、意外に時間が

掛かっている。

 通行証の不備や、オリザ姫の体力の無さは、この星辰盤には、

表れていない。極く、初心者向けの物に、すぎないからだ。

 しかし、それでも、ダルトンを示す石が、変化したのだ。

 「これは、暫くお預かり致します。

  精査の必要があります。」

 ファーゴは、半透明な石を取り上げ、隠しに仕舞った。

 自分の打った先手に、何らかの変革が起きている、

嫌な予感がした。


 そのまま、王の御前を辞したファーゴは、

待ち構えていた重臣等と、長々とした会議に臨み、

王の提案を、今一歩緩めた条文に、直させるのに成功した。

 三々五々に散ってゆく、人々の後姿を、ファーゴは、

確かに最後まで残って、見送っていた、と誰もが思った。

 が、一刻ほどして、片付けに入った近習達は、

まだ居るはずと、思っていたファーゴ参謀長の姿が、

影も形も、なくなっているのに気が付いた。

 議場から出たところを、見た者は、誰も無い。

        続く


  辛気臭いシーンが、続いてます。kao_20

 グイン・サーガの後書きに、よく、作者の栗本薫さんが、

 「早く、ナリス様のことが書きた~い!」と書いておられましたが、

 多分、同じ心境になってます。kao_9やっぱり、美男美女ひしめくシーンの方が、

 書いてて楽しい。kao05・・・ネレイド王の実体モデルは、美男ですが・・・kao06

 主役5人の実体が、カッコいいから、書いてる時の、頭の中は、

 常にHappinessiconN04icon12icon06icon12

 大魔王になんか、負けないでiconN04iconN04iconN08kao_10iconN08 

 あ、魔王は・・・ソルダムの実体の方か・・・kao_01

    では、また、次回。そろそろ5人も出てきます。D・・・村も。iconN12iconN12iconN12
       
       今日もお越し下さって、ありがとうございました
 



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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