ぶるんねん文庫

　ギネス記録って、本当に大変です。厳密に数と奏者を数えるのに、時間かかって・・・

　それに、楽器って、音が出れば楽器だから、もう、いろんなものが集まっちゃって、

　主催者の、寺村先生は、本当にごくろうさまでした。

　それに、演奏もしなきゃいけない。“Ｉｔ’ｓ　ａ　Ｓｍａｌｌ　Ｗｏｒｌｄ”

　５分で、６～７回やったかなあ？夢中で覚えてない・・・　


　　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（８０）

　「うっそー！信じらんない！

　　王妃様が、姉ちゃんかも知ンないってえ？」

　ミランの、大げさな驚き様を、今日ばかりは、誰も

咎め立てしなかった。それ位、皆、驚いてしまったのだ。

　雨の中、やっと帰り着いた宿で、夕食時に、セヴィリスは、

この四日間、ずっと胸に抱えていた疑念を、皆に吐き出した。

　驚いていないのは、ダルトンばかりだが、話し始めると

食事が、そっちのけになりそうな勢いだ。

　「カシュールの王宮に、肖像画の間があったろう。

　　各国の王侯貴族の、肖像画を集めた所じゃ。

　　そこに、ルテシア国王夫妻、成婚記念の肖像があってな、

　　王妃マヤリスの肖像が、セヴィリスの幼い頃と、

　　確かに、よく似ておったのだ。」

　「姉と生き別れたのは、十二年前。ご成婚は、十一年前・・・」

　「年は？」

　「同じだ。今年二十四歳。」

　「え？ほしたら、十三歳で結婚したん？ほんま？」

　「王侯の婚姻は、政略の場合があるから、

　　かなり早婚な事がある。だが、正妃なら、

　　出自は詳しく、公表されているだろう。」

　ケルビンは、皆の熱が上がると、いつも一人、冷却役になる。

　しかし、セヴィリスも、伊達に学者なのではない。

　「それは、調べた。マヤリス妃は、コンヴァラリア男爵の

　　養女として、後宮に上がり、そのまま正妃になった。

　　だが、その翌年、父親の謀反の罪で、幽閉蟄居になり、

　　今日に至っている。」

　「幽閉十年・・・長いな。」

　ソルダムが、ぼそっとつぶやいた。

　「養女になる前は？」

　「全く不明だ。かなり、身分は低いと思われる。」

　「だからって・・・」

　オリザ姫が、何か言いかけて、黙った。最下層の貧農の娘が、

いくら美しくとも、そう簡単に、正妃にはなれぬと、

言いたかったのだろうが、正真正銘、世継ぎ姫の自分が言うと、

酷い差別発言になると、途中で気付いたのに違いない。

　「そんなに、似てるの？」

　遠慮がちに、ドリスが尋ねた。

　「似てる。ウチ、見たもん。十三歳にしては、

　　ちょっと、大人っぽかったけど。」

　「てことは、セヴィリスを女装させたら・・・」

　「そやない！王妃様の方が、ちょっと、男の子っぽい、

　　顔立ちやってん！」

　ミランは、すぐに話を混ぜっ返す。

　シシィが軌道修正しなかったら、脱線しっ放しになりそうだ。

　「行って見るか、ヘリアンタに。」

　ケルビンが提案したが、皆は、今一つ乗り切れない。

　パストリア国内は、自由に動ける通行証があるが、

ルテシアへ入国して、身分がばれれば、厄介な者がいるのだ。

　「アルテミシアから、ヘリアンタを迂回して、

　　タンベルディへ、入れないだろうか。

　　南タンベルディのジュノス伯爵に、頼んでみる。」

　ソルダムが、苦しい決断をした。ジュノス伯爵に

会うという事は、タンベルド伯爵、曳いては、彼に預けた、

老母に、まみえねばならないかも知れぬ。

　それは、捨て逃げて来た故国と、己の過去に、

向き合う時が来た事を、意味している。できれば、避けたい。

　だが、もっと過酷な運命を、知ってなお、逃げ続ける事は、

ソルダムの、否、オヴィディオ王の自尊心が、許さなかった。

　　　　　　　　続く

　８０回記念で、何かある？と思って下さった方。すみませんでした。



　私の楽器。正式名称は、とうとう不明のまま。「ファイフ」って、本当かしらん？？？

　普段、触らない楽器で参加する為、練習しておかねばと、ちょっと頑張っておりました。

　運指表、失くしちゃって、もう、耳だけが頼りの練習。

　ソルフェージュは、完璧なんですけど・・・

　　　では、また次回・・・

　　　　　　　今日もお越し下さって、ありがとうございました。