ぶるんねん文庫

　いつもと違う順番で・・・　着物は、最後の方です。

　まず、前回の続きの、お花の話・・・　　

　これは、春の菫。


　ウチのスズランの写真が、ないんです。

　もう、消滅して久しい・・・

　菫は、ギリギリ救出。初夏の今は、地味～～～に、

　葉を広げてます　　　。地味すぎて、絵にならない・・・


　　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（７９）

　パストリア王国の首都、カシュールから、北へ、

緩やかな丘陵地帯を、ひたすら進む事、四日。

　突然、物々しい土塁の壁が、視界をさえぎる。

　東西に、長く高く、所々に、煉瓦や大きい石材を用いた

砦や櫓を置きながら、西の端は、「真白き三日月」から、

東の端は、果て知れぬ樹海の中にまで、その壁は、延びている。

　パストリアと、ルテシアの国境。

　十二年前、暫定的にしか、定められていなかった国境を、

突如、侵攻してきたルテシアは、パストリア最北の、

穀倉地帯、サリックス地方を、瞬く間に、占領してしまった。

　およそ二年、ありとあらゆる交渉が行われたが、

パストリアは、ついに、サリックス奪還を諦め、

国境に長い土塁を築いて、それ以上の、侵略から、

国土を守ろうとしたのだった。

　今は、土塁の向こうの森の中に、煉瓦造りの、

フリティラ城が、ひっそりと見えている。

　「あそこに、三王女が囚われていると？」

　ジャドゥビスは、母国とは違う、黒々と深い森に、

目も心も奪われていた。

　だが、森は、土塁の向こう。

　今、一行が居るのは、赤茶けた土に、乾いた草が、

ぼうぼうに生えた、荒地の丘である。

　最初の戦乱から、十年以上の月日が経つのを、

まるで昨日の様に、感じさせる荒れ方である。

　「姫。あの城や森に、黒い霧は見えませんか。」

　ケルビンに、問われるまでも無く、オリザ姫は、

丈高い針葉樹に、鬱蒼と囲まれてたたずむ、

古風な城を、目を凝らして見つめたが、やがて、力なく

肩を落として言った。

　「何も・・・特に変わった所はありません。

　　むしろ、あの方角の、遥か遠くに、ひどく邪悪なものを

　　感じるのですが・・・」

　オリザ姫の指す方には、ルテシアの都、ヘリアンタがある。

　そこに、邪悪な者が居る事は、ダルトンが一番良く知っていた。

　だが今は、三つ首犬に変えられた、三王女の探索が、

最重要課題である。

　長女ラミアの星辰図は、確かにサリックス地方を、

指し示したが、許婚だった、フリティラ大公自身は、

十二年前、領地を失って以来、都の屋敷に滞在している。

　一行は、大隠者ダルトンの顔効きで、カシュールの王宮も、

大公の屋敷も、調べさせて貰ったが、異常は発見できなかった。

　次女リリアの、嫁ぐ予定だった、モーズロードンの北西、

ナタレンス地方も、探索候補地であったが、こちらは、

ジャドゥビスの故郷が近いため、父親のモンティエ公爵が、

術師集団に探索させた結果、異常なしとの知らせを、

早馬が、届けてきたばかりである。


　「ねぇ、また雨、降ってきたよ。宿へ帰ろうよ」

　ミランが、鉛色の空を、恨めしそうに見上げた。

　遠い森は、白くヴェィルを掛けたように霞み、

硬質な城の輪郭も、ぼやけ始めている。

　本来、ラゥオールフィアに降る筈の雨が、

夏を迎えて、まだなお、パストリアに降る。

　サリックスの復興の遅れには、この大雨も

影響しているのだろう。一人、皆と違う、

荒地の方を向いて、唇を噛んでいるセヴィリスに、

ソルダムが声を掛けた。

　「さあ、もう行こう。宿へ戻った頃に、丁度夕餉だろう。」

　その気遣いに、セヴィリスの心のたがが緩んだ。

　「話してしまっても、いいのだろうか・・・

　　この懸念を・・・ひどく個人的な事なのだが」

　降り始めの粉糠雨は、次第に本降りへと、

雫を、大きくして行く所だった。

　　　　　　　　　　続く

　　すっごく

　分かり難いシャシンで

　すみません！！

　「繰越」という

　所を縫います。

　背中の中ほどの

　所です。

　これがあるから、

　着物の後ろ衿が、

　キマるんです。



　あちこち、舞台が飛びまくってます。すみません。

　一応、北から順番に、書いたんですが・・・　　

　最近、ジャドゥビスの実体モデルが、髪型変えたもんだから、

ここのイメージに近づいちゃって、「きゃーーーっ」って感じです。

　シシィのモデルは、逆に、離れたな・・・

　オヤジ守りで、家にこもってる間に、すっかり、ＴＶ好きになってしまった、さあです。

　　　困ったモンです。では、また。次回。

　　　　　　　今日も、お越し下さって、ありがとうございました。