2011年05月25日

着物の作り方 その5

着物の作り方 その5
 身頃の方です。kao_10

 着物は、原則、肩縫いがありません。kao_16前後ろ続きの『わ』になってます。

 だから身頃は、とっても長~い。kao_16

 その、長~い身頃の半分を、「背縫い」します。クラブ ばら クラブ

 左右を、縫い合わせる訳です。iconN36 表、裏の背縫いができたら、へら付け。寸法の印付けです。

 写真は、衿肩開きのはさみ切込みはさみを入れるところ。首の出るところです。

 失敗するとkao12、取り返しがつかないので、キッチンハウス先生に、

 「オネガイします!!」kao_6icon10icon10

 自分でやらないと、上手くなれないのは、わかってるけど・・・icon11kao_9icon11


    The  Song  of  Wind  (67)

 「待って!セヴィリス!!」

 巨大ふくろうは、大崩落と激しい戦いで、崩れた石室の

割れ目を乗り越えて、さらに奥の、漆黒の暗闇へ、

その姿を隠そうとする。

 オリザ姫は、夢中でその後を追って、壁の瓦礫を

乗り越えた。ドリスが反射的に、その後に続く。

 と、鋭い悲鳴が上がった。ドリスの声だ。

 ソルダムは、急いで一足飛びに、瓦礫を飛び越え、

自分も大声を上げてしまった。

 奥の石室は、文字通りの、闇一色であった。

 ただ暗いのではない。鼻を抓まれても分からぬとは、

 まさしく、この事だろう。

 ソルダムが手探りで点けた、小さなカンテラの灯が、

全く照らす力を持たぬほど、濃い黒い霧が、立ち込めて、

一寸先はおろか、カンテラを持つ手元すら見えぬ。

 「姫様は・・・」

 ドリスは、半泣き状態だ。オリザ姫の、旅用平底靴の、

足音が、ひたひたと石の床を、確実に遠ざかるのに、

打ち続く怪異に、強気の挫け果てた、ドリスの足は

前に進まない。

 ソルダムは、一人オリザ姫の足音を追って、

黒い霧の闇に、分け入った。

 巨大ふくろうは、ふくろうらしく、羽音も足音も立てぬ。

 オリザ姫の、足音と、時折「待って」と言う声だけが、

方向を知る手懸りだ。

 カンテラも、ぼんやりとオレンジ色の光の輪を、

形作るだけで、さして役には立たぬ。

 ソルダムは、手探り足探りで、進んで行く。

 オリザ姫は、足音からすると、もっと速い。

 これでは追いつけぬと、焦ったソルダムの、

 その足先が、カツン、と何かに当たった。

 手探りで拾い上げ、頼りない灯で照らして見ると、

法術師の持つ、十二節の長杖である。

 ・・・セヴィリスは、法術師ダルトンの弟子・・・

  ならば、師匠と同じく、長杖を持っていたはず・・・

 己の杖の音に、ふくろうが止まったのか、オリザ姫の

足音が、消えている。

 代わりに、背後が騒がしくなった。

 ケルビン達が到着して、ドリスを見つけた様だった。

 「姫!城から、水妖魔王の気配が消えた。

  城内の人々は、怪異の支配から、解かれたはずだ。

  急ぎ城へ戻って、国王夫妻の様子を、確認してくれ。」

 「いや、確認は、既にして参った。」

 更に背後から、声がした。ダルトンが来たのだ。

 「オリザ姫よ、聞こえるか。城は戻った。

  まだ、若干混乱はあるがの。

  ご両親にも、目通って参った。

  すっかり、直って居られたぞ。」

 しかし、呼びかけるばかりで、ケルビンもダルトンも、

すぐには、踏み込んで来られない。

 この黒い霧は、闇に強い術者の視力でも、見透かせず、

長杖の明かりも、ケルビンの小炎も、受け付けぬようなのだ。

 それでも思い余って、ダルトンが、部屋に踏み込んだ時、

オリザ姫の澄んだ声が、石室に響いた。

 「聞こえましたか、セヴィリス。

  全て、あなたのおかげです。

  あなたが、水妖魔王を、倒してくれたから、

  両親も、城も、ラゥオールフィアの全てが、救われたのです。

  セヴィリス・セレンホルト。あなたは、救国の英雄です。

  我が感謝の意は、生涯変わることなく、

  あなたに、捧げ続けられることでしょう。」

 オリザ姫は跪き、手を伸べて、その羽に覆われた脚に触れ、

さらにその下の、うろこ状の硬い皮膚の足先を、押し頂き、

鋭い鉤爪を恐れもせず、誓いの接吻けをした。

 黒い霧が、身悶えした。

 打ち震え、波立ち、流れを形作り始めた。

 流れは、やがて大きくなり、オリザ姫の周囲を避けて、

遠のき、ふくろうの背後へ寄り集まって行く。

 ソルダムのカンテラが、息を吹き返したかのように輝き、

周囲を照らし出した。

 跪くオリザ姫と、巨大ふくろうが、霧の渦を背に、浮かび上がった。

 ふくろうの姿も、その羽、一つずつが、霧の微粒子ででも

出来ていたのか、今や、形を為すすべを、失ったかのように、
 
もとの霧に戻ろうと、もやもやと立ち昇り、渦に合流して行く。

 黒い霧は、ついに、だだっ広い石室の中央に、濃い澱みとなり、

時折、炎の様に吹き上がりながら、繭形の渦を形作った。

 後には、己の憎悪を、身に纏う事に疲れた、セヴィリスが、

オリザ姫の膝近くに、倒れている。

 ケルビンは慌てて、小炎を数十個も投げて燃やし、

ソルダムとダルトンが駆け寄った。

 と、黒い繭が、にわかに膨れ上がった。

 縦に伸び、旋風となって、逃した獲物を、再び取り込もうとする。

 ダルトンが長杖から、稲妻を飛ばした。渦が僅かに後ずさる。

 「早く、皆ここから出よ!この部屋は、この黒い霧の巣じゃ。

  これ以上、長居はならぬ!急げ!!」

 ミランとケルビンが、セヴィリスを運び、ドリスと、

杖を預かったソルダムが、オリザ姫を連れて、部屋を駆け出た。

 その時、一人、石室に入らず、割れ目から覗いていた、

シシィが、大声で叫んだ。

 「三つ首犬!!あそこに!!!」

 全員が振り返った。黒い旋風は、稲妻の衝撃に、怒り狂って、

部屋中をのた打ち回っていたが、その中に、確かに、

気流に翻弄される、三つ首の、化け物犬の姿があった。

 「ここにいたのか!何てことだ!!」

 ケルビンが、部屋に再び踏み込もうとした時、黒い渦は、

突然、一と塊に、三つ首犬を取り巻き、天井に跳ね上がって、

ぶつかり、後に一陣の風を残して、化け物犬ごと消えてしまった。

 その様子を、見ていたソルダムは、息を飲んだ。

 渦の消えた後の一瞬、清浄な空気の室内を、多数の小炎が、

照らす中、部屋の中央に、巨大すぎる、玉座があった。

 そこは、かつて幼い日に垣間見た、

あの、「白い玉座の間」に、他ならなかった。

       続く


 長いです。kao_12どこで切ったらよかったんでしょう。kao_3

 ・・・わかりません。icon11kao_18icon11

 第一章、クライマックスなんだもん。kao_01全キャスト、総出演だし。kao_16

 でも、もう一山・・・ふた山・・・あるんだもん。icon12icon22icon12

     と、言う事で、また、次回。kao11 kao12 kao11 kao12 kao11

        iconN12今日も、お越し下さって、ありがとうございました。iconN12



    

 





  

  



  

 

 

 







 



 



 




 





 



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(2)ファンタジー
この記事へのコメント
おはようございます


さあちゃんの良い所は 丁寧に最後まで取り組んで 綺麗に仕上げて

頂けることです 縫う事を最大限に楽しまれている様子に

いつも 感心しています 

今後も色んな着物をお仕立てして下さいね 



お体いかがですか

頑張り屋さんのさあちゃん 無理をしないで下さいね^^
Posted by キッチンハウスキッチンハウス at 2011年05月25日 09:17
Dear キッチンハウス先生
 縫うの好きです。楽しいです。歌もピアノも、お話書くのも、
楽しいです。ただ、少し、しんどいです。家の事でいろいろ・・・
 いつか、あの時、辛かったけど、夢の彼方の出来事みたいと、
言える日が来るのでしょうか。一生、この閉じた時空から、出られない
・・・そんな気がします。
Posted by さあちゃんさあちゃん at 2011年05月25日 10:28
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