ぶるんねん文庫

　
　無双という袖にします。

　表地を二重にして、でっかい輪っかを作ります。

　まず、その、袖口を縫います。

　縫ったら、表に返して、２mmの「きせ」をかけて、

　縫い線を付き合わせて、おこてを当てます。

　長襦袢は、つるつるの方が、裏です。　

　理由は、つるつるが表だと、すべりが良すぎて、着崩れるから。

　慣れないうちは、つるつるの方がきれいなので、間違えます。

　間違えた事、何度もあります。　（なんで「かめ」かって「つる」と来たら「かめ」でしょ）


　　　　　Ｔｈｅ　　Ｓｏｎｇ　　ｏｆ　　Ｗｉｎｄ　　（４５）

　ケルビンとシシィが立ち去った後、ダルトンは、

ソルダムとミランに、ジャドゥビス達を引き合わせた。

　しかし、ジャドゥビスは、さらに苛立ちを募らせていた。

　「ダルトン・・・さては、謀ったな？」

　「はて、人聞きの悪い。手の内を知られているのだ。

　　次の手を打たねばと、端から申しておる。」

　ジャドゥビスは、思いっきり上から目線で、二人をねめつけた。

　ソルダムは平然と、その視線をはね返した。

　その背に、ケースに仕舞ったシタールを担いでいるが、

それに沿わせるように、黒皮に金鋲を打った鞘の、

幅広の大剣を、一緒に背負っている。

　ベルトの腰に、もっと実用的な剣を、別に下げているから、

こちらは確かに、ダルトンの言う、「次の手」なのだろう。

　だが気に入らないのは、ミラン・アクティオンと名乗った、

やや態度の軽い男の方だ。ダルトンにものを問われて、

たじたじとなったかと思うと、オリザ姫とドリスに、

なれなれしく笑いかけたりしている。

　ドリスが、またピリピリと、神経を逆立てているのに気付くと、

面白がって、なおの事オリザ姫に近付こうとする。

　「ダルトン殿、こちらの方はともかく、あの瓢軽た奴は、

　　何者です？彼も味方になるのですか？」

　「嫌かの？」

　やはりそうなのか、と、ジャドゥビスは肩を落とした。

　昨日からの話に、度々出て来る三つの星とは、

どうやら彼等の事らしいのだ。

　それが、即戦力になりそうなのは、たった一人

　後は歌手と、いかにも無芸な風来坊である。

　「戦になるか、ならないかの瀬戸際だと言うのに、

　　旅芸人達と、合流する羽目になるなんて・・・」

　ドリスは、できるだけミランから、オリザ姫を遠ざけようと

立ち位置に気遣いつつ、主の心情を思いやって呟いた。

　「・・・いや、これは仮の事。シシィの旅費の為に、

　　急に思い立ってした事だ。生来の生業ではない。」

　ソルダムの弁明は、枝葉がなくて簡潔だ。

　「では、どういうご身分の方なのです？」

　ソルダムは、ちらっとオリザ姫に、視線を走らせた。

　ダルトンは、ジャドゥビスとドリスは紹介したが、

オリザ姫には、名乗らせなかったのだ。

　そちらが全てを見せないうちに、こちらが何もかも、

曝ける訳にはいかない、と言う事らしかった。

　「きちんとお話頂かねば、困ります。

　　姫様と同行なさるなら、なおのこと・・・」

　「ドリス！」

　ジャドゥビスが制したが、ソルダムは聞き逃しはしなかった。

　「姫様？」

　ドリスは、口を滑らせたことに気付いた。

　元がただの一兵卒なので、駆け引きは、まだ苦手だった。
　　
　「詳しい話を、聞いて貰いたいのじゃが。如何かな？」

　ダルトンに言われると、ソルダムは、自分からテーブルに着いた。

　魔術師に大隠者。貴公子と女騎士。そして「姫様」と呼ばれる、

正体を明かさぬ美少女・・・全てを捨てて逃げた自分に、

まだ何らかの、役割があるのなら、この訳ありげな一行に、

係わる運命にあるのかも知れぬと、ソルダムは、思い始めていた。

　ミランが、おずおずと隣に座を占めると、ダルトンは、

二人が、思っても見ないことを話し始めた。

　ここ、二、三年前から、打ち続く天変地異は、

何らかの人為的意図が、見え隠れしている、と言うのだ。

　　　　　　　　　　続く

　・・・・・本当に、天変地異に、誰か、絶対悪がいて　　　

それを憎んでも、誰にも攻められないのなら、　　

こんなに楽なことはないのですが・・・

　現実には、自然現象なんですよね。　　　　

　マントル対流があるから、地磁気が生まれ、

バンアレン帯が形成されているから太陽放射線が、

地上を焼き尽くさずに、済んでいる。

　一方で、マントル対流のせいで、地震が起こり、

津波も、液状化も起こる。まさに両刃の剣です。　　

　宇宙規模的には、些細な出来事なんでしょうね。

　でも、地球に生きる我々には、かけがえのない　

青い小さな星だから、もっと大切に、真剣に考えたいです。

　　　きょうも、お越し下さって、ありがとうございました。