2011年03月05日

森先生 その3

森先生 その3
 リボン森先生の、チャリティー出品作品リボン

 向かって右側の、冬瓜の絵。icon14

 「やす井」の料理長さん、お買い上げだとか。kao_16

 「冬瓜なんて、スーパーに売ってるやん」って、

ウチの親あたりなら、言いそうなんだけど。kao_2iconN30

 ただの冬瓜じゃ、ございません。iconN36

 「彦根産の冬瓜」だそうです。icon22kao_11

 皮の色が、違うんだとか。

 普通に売ってるのは、均一な濃い緑の皮だけど、iconN12

彦根の冬瓜は、均一でなくて、少しくすんだ緑をしていて、

青臭くなくて、おいしいそうです。icon06iconN08icon06

 なんか、冬瓜食べたくなったなぁ~iconN04 スーパーのでもいいから・・・

 
     The  Song  of  Wind  (38)

 数知れぬ水妖共と、明らかに、人間でないものに操られている、

兵士達に追い上げられ、一行は螺旋階段を、戦いながら

駆け上がって行った。

 水妖に対する攻撃は、ケルビンの電撃が、一番有効なので、

自然と、ケルビンの位置が、最後尾になってゆく。

 ついに、頂上が間近に迫った時、ラミアが叫んだ。

 「そこです!その扉の中!」

 ジャドゥビスとオリザ姫は、今まで通り過ぎてきたのと、

同じような、粗末な木の扉を開けた。

 円筒形の内側を、半分に仕切った、半円形の床。

 その仕切りの壁に、もう一つの内扉があり、その傍らに、

一叢のつる草と、翼を広げたオウムの彫刻が、掲げられている。

 あっ、と言う叫びと共に、オリザ姫は、その不釣合いに立派な、

彫刻に飛び付き、オウムの下のつる草の輪を、思いっきり引っ張った。

 途端に、床板の、ちょうどオリザ姫の立っている部分が、

すっぽりと落ち込んだ。

 「きゃあーーーーーっ!!」

 絹を裂く悲鳴と共に、登ってきたのと同じ深さの穴に、

落ちようとするオリザ姫を、ジャドゥビスの腕が、

すさまじい反射神経で捉えた。

 奈落の穴に、宙ぶらりんになったオリザ姫の、

悲鳴と、半泣きの声を聞きつけて、ラミアとケルビンが

駆け上がって来る。

 「罠が仕掛けられてると、先に注意したではないか。

  もう少し、慎重になってくれ!」

 ケルビンは、追い縋って来る水妖に手こずり、

愚痴をこぼした。ラミアが先にたどり着いた。と、ラミアは、

いきなりケルビンの鼻先で、外扉をぴしゃりと、閉じてしまった。

 「ラミア殿、なぜ、扉を閉めるのです?ケルビンの力が、

  必要なときに・・・」

 ようやく穴から、オリザ姫を引き上げたジャドゥビスは、

息を切らしながら、ラミアを見た。ラミアは、見開いた目と、

奇妙な笑みを、貼り付けた口元で、全く人間に見えなくなっていた。

 「叔母様・・・どうなさったの?」

 ドンドンと、ケルビンが扉を叩く音がした。

 「そいつは、まだ操られている!

  我々を、ここへ導き出すための囮だ!!」

 ラミアは、少しも笑っていない目を、じっとオリザ姫に据えたまま、

ケルビンに答えた。

 「ほう。気付いていやったか。いつ気付いた?」

 「初めからだ。お前は、ティムに女宮から、連れ出させたドリスを、

  この大灯台の一階まで、水妖魔王が運んだと言ったが、

  腹を割いてみてわかった。あ奴は、小さくも細くもなれぬし、

  空中浮遊も瞬間移動もできぬ。なのに、ここまでの通路が、

  細すぎる。あ奴は通れぬ!来る道すがらに探ったが、

  他にルートはない。ならば、答えは一つだ。」

 「なるほど。それなら、なぜ付いて来た?」

 「この場所が、正確に掴めなかった。あまりに近くで

  撹乱されたからだ。二人の波動を、中継して増幅し、

  私が場所を、探れないようにした。どうにかして、

  自分の手で、オリザ姫を亡き者にするために!」

 言葉の途切れと共に、びりり、と、全ての物が震えた。

 直後、内扉の鍵が外れた。ケルビンが、全身全霊を込めて

遠隔魔力を放ったのだ。

 ドリスとセヴィリスは、とっくに外の騒ぎに気付いて、

機会を窺っていたらしく、すぐに飛び出して来た。

 ラミアは両側から、ジャドゥビスとセヴィリスに、迫られながら、

それでも、オリザ姫から、目を離そうとしなかった。

 「叔母様・・・私は、叔母様に憎まれていたの?なぜ?」

 「なぜだと?そう、お前は知るまい。私に、生まれ落ちた時からの、

  許婚がいた事など。その方の花嫁となる日を、ずっと指折り

  数えて成長してきた、私の心の内も、何一つ知るはずはない・・・

  相手は、パストリア王の従兄弟。父上の政略とはいえ

  私は心底から、お慕い申していたのに、一昨年にお前が、

  兄上の世継ぎになると、決定した途端、婚約は破棄された。

  妾腹の姫を娶るより、女王の夫を出す方が得だと、

  判断したに違いない。同じように、リリアもルシアも、

  婚約の解消を迫られた。皆、我等を娶るより、

  お前の婿の座を、欲したのだ。そして、言い訳めいた

  書状に必ずついて来る一文が、こうだ。

  『肖像画を拝見するに、お世継ぎ姫の美しさには、心奪われ・・・』

  もちろん口実であろう。けど、それを聞かされる、我等の身は、

  誰も省みぬ。悔しい事に、お前は、本当に、光り輝くように

  美しく成長した。若く、美しく、愛らしく、この上なく高貴で・・・

  その上、我等がどれほど力を奮っても、お前は絶対に支配されぬ。
 
  だが、直接、手は出せぬでも、こんなからくりなら、たんとある。

  大灯台の、この高さから落ちれば、まず生きてはあるまい。

  死ぬがいい。我等の恨みを負って、死ね!!

 ラミアはそう言うと、さっきオリザ姫が引いた仕掛けより、

一回り大きい彫刻の輪を、力いっぱいに引いた。

 ぐらりと、床が傾いた。誰もが、一瞬地震と勘違いした。

 が、地震ではなかった。大灯台全体が、揺れ軋み、

そこ等中から、崩れ始めたのである。

 ラミアが鍵を掛けた外扉も、砕けて飛び散った。

 ケルビンが駆け込む。ラミアは、気が触れた様に 

涙を滂沱と流しながら、声高に笑い続けている。

 床は、すでに一部が抜けているのだ。一刻の猶予もない。

 「アルフィーーニ!!

 純白の天馬が、宙を蹴って駆けつけた。

 ジャドゥビスとドリスが、素早くその背に乗る。

 「アルフィーニ、オリザ姫もだ!」

 オリザ姫は、ラミアに駆け寄ろうとしていたが、

セヴィリスが無理に引き戻した。

 「セヴィリス!飛べ!!」

 ケルビンの声に、振り返ったセヴィリスは、オリザ姫の

頭上目掛けて、瓦礫が降って来るのに気付き、咄嗟に、

姫の体に弾みをつけて、アルフィーニの方に放り出した。

 セヴィリスは、逆の作用で、その瓦礫の真下に倒れ、

瞬く間にその姿は、雨あられと降る瓦礫に隠れて、

見えなくなり、やがて抜けた床と共に、遥か階下へと

落ちていった。

          続く 


 長いですね。kao_12今までで、最長かも知れません。kao11 kao11 kao11

 ラミアの長セリフの前で、はさみ切ろうとしたら、

 (もうちょっと、いいんじゃない?)

 と言う、悪魔のささやきが・・・音楽

 それにしても、どうしてセヴィ君は、反射神経が鈍いんでしょ。kao_16

 それは、iconN07実体三次元モデルも鈍いからiconN07・・・かもね

  では、また次回。 スペードicon04iconN11icon04スペード

        今日も、お越し下さって、ありがとうございました
   



同じカテゴリー(ファンタジー)の記事画像
脱・0円ファン宣言!!!
大好きなのは、タロットカードの話
なんだかへんだな・・・
あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!!
鍵の掛かった部屋SP!?!
風の歌 410 ・・・最終回、そして次にやる事・・・
同じカテゴリー(ファンタジー)の記事
 脱・0円ファン宣言!!! (2017-07-16 13:33)
 大好きなのは、タロットカードの話 (2016-09-05 01:58)
 なんだかへんだな・・・ (2015-12-07 11:58)
 付け足し・・・Quarandolleってなんだ? (2015-09-09 09:21)
 ふしぎちゃん女子 (2014-02-19 00:01)
 あ・・・あ・・・あたしじゃないーーーっ!!!!! (2014-01-18 00:00)

Posted by さあちゃん at 03:45│Comments(0)ファンタジー
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。