2011年02月27日

声優さん

声優さん
 娘の点描の作品  

 最近売れっ子の、声優さんらしいのだが、何と言う人かは、わからない。
 
 私は、と言えば、年の離れた弟がいたから、大人になってから、アニメをよく見た。

 弟と同じ視点で、夢中になってると、親に思われたくなくて、

 声優さんの声を、聞き分ける事に、専念する振りをした。

 そして、本当に、十数人の声優さんの声を、瞬時に

 聞き分けられるようになった。

 それから30年がたち、私は声を忘れ、声優さんも、声質が変わり、

 ほとんど、分からなくなってしまった。

 今度は、娘が聞き分けの達者になった。

 CMやナレーションでも、「○○さ~ん」と、叫んでいる。

 だから、今は親子で、アニメを楽しんでる。


     The  Song  of  Wind  (36)

 ぶよぶよした体表の文様は、青い蛍光を発しながら、

不気味に、伸び縮みしており、時折場所を移動する。

 その有様は、その文様の一つ一つが、別個の生き物で、

皮膚の上に、寄生しているかのようだ。

 それだけでは無い。巨大妖怪の周りには、あの、

小さい黒い妖怪が、無数にひしめいている。

 彼等は、暗闇に慣れた、生き物のようだった。それが、

急に明かりを突きつけられ、ひどく戸惑っているように見える。

それでも、一応の知能はあるらしく、攻撃手ではない、

一番無防備な、オリザ姫に向かって、四、五匹が飛び掛った。

 素早く、間に割って入ったジャドゥビスが、一気になぎ払った。

 刃が当たると、その小さい体は、やや粘性のある、

黒い水の塊に変じ、そこ等中に飛び散る。

 「水妖、か・・・」

 ケルビンが呟いた。

 が、正体が知れても、この数は、如何ともし難い。

 その時、のたり、と、黒い巨体が動いた。

 じわじわと三人の方へと、にじり寄ってくる、その、

余りに奇っ怪な有様に、たまらずオリザ姫は、

悲鳴を上げて、しゃがみ込んだ。ケルビンが電撃を放つ。

 青白い火花が、巨体を怯ませたかに思えた、次の瞬間、

ぶよぶよした皮膚に、貼り付いた文様と思われていた、

蛍光色のまだらが、一斉に三人目掛けて、放出されたのだ。

 それらは、一個ずつの生き物でこそなかったが、

人間の皮膚に当たると、火ぶくれのような、刺激を残す。

 ケルビンの電撃は、精神波の変動で、起こす物だから、

強い攻撃に遭うと、反射的に発生する。

 それが、また相手の攻撃を、生んでしまうのでは、

まるで、いたちごっこになってしまう。

 ジャドゥビスは、オリザ姫をケルビンに守らせ、妖怪の体内の

三王女に当たらぬよう、飛び上がりざま剣を振るった。

 こちらの方が、有効であった。が、物質的な武器を、

持っているのは、ジャドゥビス一人である。幸い、小妖怪共は、

ケルビンの電撃だけでなく、先に放った明かりの炎にも、

有効性があり、その数を、目に見えて減らして来た。

 岩の隙間から、新たに湧いて出てきた少数も、

むやみと、飛び掛っては来ず、様子を伺っている。

 と見るや、ジャドゥビスは、やにわに狙いを澄ませた剣を、

妖怪の腹に突き立てた。そのまま手を反して、腹を引き裂きにかかる。

 ジャドゥビスの動きを見て、ケルビンは、オリザ姫の周りを、

明かりの小炎で囲み、妖怪の傷口に手を差し込み、王女達を

引き出しにかかった。妖怪は、身をよじって抵抗するが、

かなり上部に、僅かに突き出た、腕らしき物は、

役に立つ様子もなく、駆け出して、逃げる事もできず、

厭らしいまだらを、飛ばす事もしない。どうやら、あれは

電撃攻撃に対してのみの、反射的行動らしい。

 ジャドゥビスは、王女達をケルビンに任せて、背面からも

切りかかった。そこからも、ぼんやりと人型が、見て取れる。

 だが、ケルビンの手が、一番前にいた王女を、引き出しに

かかると、妖怪の口から、あたりを揺るがす絶叫が起こった。

 地下通路の、剥き出しの岩肌が、びりびりと震え、

オリザ姫の周りの明かりが、その衝撃で、一斉に消えた。

 急に闇が訪れた。が、ケルビンは、王女救出の手を

ゆるめはしなかった。ジャドゥビスが、手探りで加勢する。

 ようやく、一人の王女の体が、妖怪から引きずり出された。

ケルビンは、急いで再び、明かりの炎を灯したが、その時には、

もう妖怪は、傷ついた腹を抱え、できる限りの速度で、

地下通路を、城の方へ退散して、遠ざかって行く所だった。

 「ラミア叔母様!」

 オリザ姫が、必死に呼びかけた。

 ラミアは、ぼんやりと目を開け、自分を見守る、三人の目を、

見返していたが、オリザ姫をそうと認めると、急に正気づき、

わっと泣きながら飛びついた。

 「オリザ!オリザ!化け物が、大きな化け物が来たの。

  私達、みんな飲み込まれてしまったの!!」

 「叔母様、もう大丈夫よ。強い剣士と魔術師が、味方に

  ついて下さってるから。早く、あと二人の叔母様も

  助けましょう。」

 「おお、オリザ!」

 ラミアは、まだ立ち上がる気力も無く、その場に顔を覆って

泣き伏した。なぜか、水妖共もなりを潜めて、現れない。


 セヴィリスは、アルフィーニに置き去りにされ、皆から、

かなり遅れて、空中を飛行していた。ケルビンの、強い精神波の

後を辿って行くだけだが、天性の能力を持つ、魔術師に比べ、

後天的に、研鑽を積むことで、力を得る法術師は、術によって、

出来不出来が激しい。セヴィリスは、『見者』であり、

ケルビンのようには、なり得ないと、自分で思っている。

 それだけに、墓陵島が近づくにつれ、ケルビン達とは、

違う波動を感じ取った時、ほとんど、迷う事なく、

そちらに向かって、進路を変えてしまった。間違いなく、

奥殿から連れ去られた、ドリスの物だったからだ。

 ドリスの波動は、大灯台の大屋根から、発信されている。

 セヴィリスは、その四角錘形の、屋根の縁に降り立ち、

侵入口を探した。物音に気付いたドリスが、声を出した。

 「誰かいるのか?何者?」

 「ドリス!僕だ。セヴィリスだよ!」

 ドリスの声は、意外にも慌てていた。

 「セヴィリス、来てはいけない!これは罠だ。私を餌に、

  オリザ姫を、連れてこさせる心算らしい。逃げるんだ!

  すぐに、ここから離れろ!!」

 だがその言葉は、最後までセヴィリスの耳に、届く事はなかった。

 灯台の下部から、湧き上がって来た黒い霧が、意思を持つかのように、

セヴィリスを取り込み、声も出させずに、拉致し去ってしまったのだ。

           続く 


  また、一日空いてしまいました。kao_9icon15

 下書きの不備です。ノートに「戦闘!」としか、書いてなかった。kao_15

 だから、ブログに書きながら、蛍光ブルーのぶちぶちが、icon10icon10icon10

ぴゅんぴゅん飛ぶのを、どう書きゃいいのか、わからなくて、

頭抱えて、うなってました。kao_5早くシシィ達の方、書きたいです。kao_10

 個人的に、シシィが好きです。kao_22明るくてicon01、可愛くてiconN13、小柄でダイヤ、勇敢で。スペード

自分と正反対の人物だからkao_01、書いてて楽しいです。

 彼女の、実体三次元モデルも、割と好きなので、ハートicon06ハート

TVでお目にかかると、うれしいです。kao01(歌声も好きなんだけど、CD買うお金がない。)

                 iconN08icon12ハートkao_19ハートicon12iconN08

        iconN12iconN13iconN12 きょうも、お越し下さって、ありがとうございました。iconN12iconN13iconN12



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)ファンタジー
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