ぶるんねん文庫

同じような写真ですみません。

・・・ていうか、同じところの写真です。

青空と、常緑樹と、紅葉した楓。

これが美しいって、写真に撮りたくなるのは、

やっぱり、幼児感覚ですよね。

味のある写真って、大人の感覚がないと、

無理なのかな・・・











　　　　　　　　　碧氷窟の双生児　　　　　（３１）


　「その方等、牛盗人の嫌疑、認めるか」

　冷たい石の床に、座らされた二人は、永遠に続くかと

思うほどの、繰り返しの尋問の嵐にさらされた。

　「盗みを否定するなら、その日、どこにいたか」

　「何をしに、出かけたか」

　「出先で、だれかに会うたか。
　
　　また、いつごろ戻ったか」

　「そもそも、その方等、生まれも不明、

　　ダクリーの養い子とだけで、縁者もなし、

　　いかにして、隠れ里に赴いたか。」
　
　同じ質問を繰り返し、容疑者を催眠状態に追い込み、

嫌疑を認めさせるのだろう。

　ふたりには、泥棒容疑を否定する以外、

答えられない質問ばかりだった。

特に、緑のくぼ地については、跡取りと決めたものにしか、

言ってはならぬと、厳しく戒められている。

　そこに生える薬草が、いかに貴重かは、

町の薬屋が付ける、値段の高さで、よく知っている。

むやみに、採り尽くさぬよう、また、畑では育たぬゆえ、

冬に屋内で守っても、春には、くぼ地に戻すよう、

ダクリー婆さんに繰り返し、厳しく教えられている。

　そのような、繊細な仕様を、金額という数字で、

全てをやり取りする、町の人々が、理解するとは、

ジルとサフィールには、思えなかった。

　
　当日不在の理由を、言わぬふたりへの質問は、

次第に、生まれ育ちについての、追求に

変わっていった。二十年来、姿形が変わらぬ、

妖怪変化、魑魅魍魎のたぐいである、という訴えも、

あったからだ。役人たちは、さすがにこれを、

間に受けはしなかったが、火の気のない牢獄で、

例年にない寒さのために、凍死した囚人までいる中、

この薄着で、平然としているふたりは、

やはり、かなり薄気味悪い存在だった。


　決定的な知らせが、もたらされたのは、

二日目の夜だった。

　ヘズの村から直接、隠れ里へ抜ける、

険しい山道の途中で、けものを解体した跡が

発見されたというものだった。

　　　　　　　　　　　　　　続く

　今年のもみじ

やっぱり、お外に出ないとだめですね。究極の出不精なんですが・・・














































　　　今日も、お越しくださって、ありがとうございました。