ぶるんねん文庫

本当に袋です

ひもの先飾りも、苦労でした。いまはパッと作れるようになりましたが。

縫い針二本同時に使うときれいにできますが、

始めは、糸をもつれさせて、たいへんでした。

花のつぼみとか、繭玉とか、けっこう応用が利きます。





　　　　　　　　　　　　　　　碧氷窟の双生児　　　　（６）



　その日は、小さい男の子が来ていた。

母親は、病気の子を連れて、大雪の中、

歩いて帰るのは無理だと、ダクリー婆さんに言われて、

自分は家事のために、一人で帰って行った。


　「牛たちを見てくるから、しっかり看病するんだよ。

　　咳き込んだら、薬をのませるんだ。
　　
　　サフィールが支えて、ジルがのませる。

　　わかったね？」

　噛んで含めるように言い聞かせても、不安が残った。

　大急ぎで、家畜の世話をして戻ると、

やはり、サフィールはいなかった。

　「一体どこへ行っちまったんだ？」

　ダクリー婆さんは、怒り顔を作って、ジルを問い詰めた。

ジルは、黙って窓の外を指差した。

　ずっと降り続いていた雪が、小降りになって、

時々、さっと日が射すようになっていた。

　「またかい」

ダクリー婆さんは、ためいきをついた。


　サフィールは暇さえあれば、緑のくぼ地のむこうへ

あの碧い氷窟を探しに行く。

しかし、冬山は、子供の足など、受け付けはしない。

ダクリー婆さんは、幾度、山道の登り端で、

動けなくなっているサフィールを、保護したことか。

　一度は、泣き喚かれて、根負けして、ふたりを

氷窟まで連れて行ったが、何も変わった事はなかった。

ジルは、それで諦めがついたのか、

二度と氷窟と、その向こうのことを、言わなかった。

　しかし、サフィールは、またしても、

性懲りなく、出かけてゆく。

　　　　　　　　　　　　　　　　続く



前回の答え：　おくるみ人形袋の小道具です。

では、どこが袋なのでしょうか

それと、でんでん太鼓はいくつありましたっけ

どうなってるんでしょうねでは、次回もおこしください。

解答ご用意しておきます。

きょうも、お越しくださって、ありがとうございました。