2010年11月09日

長くてすみません

長くてすみません
前回よりさらに小さいです。12cm。なぜ小さいか。

理由は簡単!生地が小さかったから。本当です。





          碧氷窟の双生児   (4)



 ジルは男の子、サフィールは女の子だったが、

ふたりは、よほど近づいても見分けられぬほど、よく似ていた。

 「双子かい?」

ダクリー婆さんがたずねても、答えない。

双子という言葉を知らないようだった。

 「父さん、母さんはどうした?」

それも答えない。キョトンとした表情で、婆さんを

見返すだけである。

 「どんなとこに、住んでたのかい?」

とたずねた時だけは、サフィールがたどたどしく答えた。

 そこは、あの氷窟の中のように、景色のなにもかもが青白く、

空に光るものはなく、自分たちのほかに、

動き回るものも、いなかったという。

 「あんたら、ふたりっきりかい?

  ほかに誰かいたのかい?」

 「これ、作ったひと。」

 サフィールは、自分のまとっている布を指していった。

それは、草の筋をつむぐでもなく、ただ単純に、

編みつないだもののようだった。

 「ほかには?」

 サフィールは、首をかしげた。

他に、ひとはいても、言い表す言葉が、

見つからない、そんな風に見えるしぐさだった。

 
 ダクリー婆さんは、ふたりを捨て子だと思うことにした。

適当に捨て育ちにされたあげく、本当に捨てられた、

かわいそうな子供たちだと、考えたのだ。

それなら、自分が育ててやっても、かまわない、

むしろ、願ったり叶ったりだった。

 自分も、村里の子沢山のうちから、

この隠れ里に、さらわれる様に連れて来られ、

薬使いの老女に、死ぬほど厳しくしこまれた。

つらくても、泣いて帰る家がないほどでないと、薬は扱えない。 

 捨て子ならば、その点は確かだった。

結婚せず、子供もない婆さんは、自分の薬草の、

知識と技術が、自分の代で途絶えることを

なにより恐れていた。

                 続く


 
長くてすみません
中途半端な切りかたして、すみません。icon10

もうすぐ物語りに入ります。長くてすみません

 ミニ着物は、裏もはっかけもついてます。

中とじもしてあります。人間用と同じ手間です。

 と、いうことで、今日も、お付き合いくださって、

ありがとうございました。kao05

 


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Posted by さあちゃん at 10:40│Comments(0)ファンタジー
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