2011年11月16日

『まるねこ』 3 前転できる?

『まるねこ』 3 前転できる? 娘はあれで、がんばってるんだそうです。

 いっつも・・・ホントかしらんiconN05kao_2iconN30

 まあ、ホントなんでしょ。kao11kao_4kao11

 この間、次男のアパートへ行くのに、

 JR茨木駅電車で、地図を逆に見てしまい、

 大分、難儀したそうな。kao12kao_3kao12

 point_9京都・大阪point_8って書いてあっても、

 分からんのだな。この愚娘は。icon08kao_12icon10

 大学も、レポートが書けないで困ってる。

 図や表を読み解けない子なんです。kao_9icon15

少し理数的な話になると、お手上げっiconN04愚娘よ。それじゃ、世間を渡って行けないんだよiconN06


   The Song of Wind (141)

 ジュノス邸に残った五人には、翌日、訪問者があった。

 ルテシア王妃、マヤリス・コンヴァラリア、その人である。

 まだ、ファーゴの出奔も、王妃の赦免も、表向きには

されていない。全くのお忍びである。

 実際の所、馬車も護衛も、必要な人ではない。

 しかし、太陽宮内では魔力を、極力、発揮せぬようにとの、

父親の遺言を、マヤリス妃は、堅く守り通す心算らしい。

 地味な作りの馬車から、きちんと歩いて、石畳に降り立つと、

畏まるジュノス夫妻の案内で、五人の待つ居間に通った。

 マヤリス妃は、まずオリザ姫に向かい、意外な事を言った。

 「高貴なる姫君様。あなたの魂を覆う、深き愛情と

  純粋な善意は、未だに、しかと目覚めてはおりませぬ。

  しかし、明らかな覚醒を、向かえた時こそ、

  あなたには、大いなる危機が訪れましょう。

  この世のありとある、救われぬ魂、報われぬ想いが、

  一丸となって、あなたに襲い掛かり、その影響は、

  共にいる方々へ波及します。

  でも、その時が来ても、決してうろたえてはなりませぬ。

  あなたには、それを救う力も、備わっております。

  私の目覚めを誘ったように・・・

  どうか、お気を強く持たれて、己れの善意を、

  信じ続けてくださいませ。」

 「善意と愛情・・・」

 それは以前、ユリシアにも、言われていた事だった。

 「未だ目覚めぬ、魂の力・・・

  教えてください。それは、いつ目覚めるのですか。

  その時、私はどうなるのでしょう。」

 「近いうちに・・・と言うより、その時が来なければ、

  今の世の騒乱は、収まりません。ただ、目覚めぬ今でも、

  あなたに導かれたくて、悪意やあやかしが、寄り集うのです。」

 「そんな・・・私のせいで・・・?」

 「いいえ、あなたに惹かれて。お間違えなきよう。

  それを言いに、今日は参ったのです。

  それから、風の娘よ・・・」

 いつも気配無く、人々の後ろにいる、ユリシアが呼ばれた。

 「そなたに、私が人となった訳が、分かる時は、そなたが、

  辛い思いをせねばならぬ時。そうならぬ内に、三王女救出の

  暁には、九峯聖堂にお戻りなさい。そなたの為です。」

 キョトンとしている、ユリシアに代わって、セヴィリスが訪ねた。 

 「それは、このたびの東方行で、三王女は、救出されると言う

  予言ですか?」

 「そう・・・で、ないかも知れず・・・確実な事は言えませぬ。

  現世は常に、揺れ動くものゆえ・・・」

     *  *  *  *  *  

 帰城するマヤリス妃を見送りに、家のもの全員が、前庭に出た。

 その時、セヴィリスが、マヤリス妃の足元に、

思い余ったように取り縋り、懇願した。

 「ご無礼ながら・・・お手を・・・

  右の手を、見せて頂けませんでしょうか。」

 マヤリス妃は、怪訝そうに、右手を差し出したが、

セヴィリスが震えながら、その手を押し頂くと、

はっとして、目の前の青年を凝視した。

 セヴィリスは両の掌で、マヤリス妃の右手を、

掬い上げる様に取っており、その左人差し指の付け根に、

小さなほくろがある。が、マヤリス妃の右手に、

ほくろはない。セヴィリスの頬がゆがんだ。

 嗚咽をかみ殺し、肩を震わせ手を離した。

 落胆で立ち上がれぬ。その体を、マヤリス妃は

泣きながら抱きしめた。セヴィリスの記憶を、読んだのだ。

 「・・・かわいそうに・・・この戦は、必ず止めさせます。

  始まってしまっている所も、あるけれど、あなたの様な

  ひどい事が、これ以上起こらぬよう、命かけて進言します。

  だから、泣かないで・・・」

 セヴィリスの膝前の石畳に、涙のしみが広がっていた。

 「いいえ、私事でございます。姉の事も、もう諦めております。

  私とて、数刻、師匠の通るのが遅ければ、死んでおりました。

  未練です。未練は、法術師が最も、持ってはならぬ物です。」

 シシィが、皆の後ろで、つぶやいた。

 「せやから、言うたのに。姉さんや無いって。」


 マヤリス妃は、車上の人となり、去った。

 セヴィリスは一人、いつまでも、馬車の去った方向を見つめていた。

          続く


 kao_16「いらんシーンとちゃうかiconN05」って、お思いの方、おられるでしょう。kao10

 kao_19ハート第三章終結シーンへの、布石です。icon12icon22icon12

  では、また次回。クラブmomijiクラブ今日もお越しくださって、ありがとうございました。
    



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)親ばか
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