2011年11月13日

『まるねこ』 2 幸せ・・・?

『まるねこ』 2 幸せ・・・? 
 知らぬ人には、何てこと無い、

 意味が分かってる親には、kao_01

 ちょっと、kao_6「うるっ」て来る言葉。

 苦しかったらしい、高校生活。

 卒業式の答辞で、初めて明かした、

 三年間の想い。icon11icon11kao_18icon11icon11

 先生方は単純に、文化祭で頑張ったから、

 その想い出を答辞で、と言う事だったけど、

 頑張れるようになるまでの、紆余曲折。kao_20

 まあ十代の悩みなんて、そう言うものですが。

 それを乗り越え、大学生活のしんどさも、長い五月病も乗り越え、幸せだそうです。今は。・・・

           iconN12かたつむりiconN12 ダイヤicon12王冠icon12ダイヤ iconN12かたつむりiconN12


   The Song of Wind (140)

 前日の、薄曇りとは打って変わった、降る様な星空を、

上空高く飛翔しながら、アルフィーニは、地上の街道に、

ドリスの波動を追っていた。

 戦士としては、この上なく優秀だが、魔法使いから見れば、

相当、直情的である。行動の予測は、つけ易い。

 今も、真っ直ぐに街道沿いに、波動を残しながら、

ドリスは、ひたすらに西へ向かっている。

 やがて、小高い丘の、折り重なる地帯で、ドリス本人の

波動を発見した。宿場街のちょうど中間。人家も無く、

森と荒地が交互に現れるだけの、うら寂しい道に、

疲れ果てて、歩みを止めた馬と、途方に暮れたドリスがいる。

 アルフィーニは、森の木々に引っ掛らぬよう、

少し離れた荒地で、黒馬に変身して、地上からドリスに近付いた。

 宿場街の、貸し馬屋の馬は、こんなに無茶な走り方を、

させられた事がないのだろう。ぜいぜいと息を切らし、

首を下げてしまっている。

 「ドリス、森を右へ入って行けば、小川がある。

  水を飲ませてやりなさい。」

 闇夜に黒馬である。かなり近付いたと思って、

アルフィーニは話しかけたのだが、ドリスは、驚いて、

文字通り飛び上がった。

 「無茶な事を。女一人で、山賊にでも出遭ったら、

  この馬で、どうする心算だったのだ。」

 「アルフィーニなの?」

 ドリスは、慌てて周りを見回した。そして、他の者達が

いない事がわかると、ほっとしながらも、驚いて、

矢継ぎ早やに、質問し始めた。

 「まず、馬を手当てしてやって。それから話そう。」

 小川の畔で、アルフィーニはドリスに、事件の結末の、

あらましを話した。ドリスは黙って、ただ聞いていた。

 自分抜きで、事が、一応の決着を見た事に、少し、

落胆を覚えたらしかったが、オリザ姫が、意外と

しっかりして来ているのは、やや、安心材料でもあった。

 「だったら、お願い。このまま、ミランを探しに行かせて。

  自分から離れて行く人とは、思えない。

  本質的に、淋しがりなのよ。シシィ達と会った時も、

  旅芸人の一座に、置き去りにされて、付いて来たって、

  言ってたし。・・・誰かと一緒に、いたい筈なの。

  だから、探し出してやらないと・・・」

 「気持ちはわかるが、本来の目的も、主命もあるのでは?」

 「それは、・・・」

 アルフィーニは、口ごもったドリスを、愛おしい想いで見た。

 まだ、自分の想いに気付かぬ、少女らしい純真さが、

 怪我を押して、ここまで走らせたのだろう。

 「剣を預けた、主のある身ではあるけど・・・

  義を欠いた行動は、取りたくない。

  ミランの失踪は、私だけの責任だし・・・」

 「そうかな?」

 ドリスは、更に何か、反論しようとした。

 アルフィーニが、やんわりと、自分を連れ戻る方向に、

話を向けている事に、気付いたからだった。

 が、アルフィーニは、急に言葉を切り、上空を見上げて、

動きを止めた。木々の間から望む夜空は、相変わらず、

満天の星である。

 「どうしたの?」

 「ドリス、足の具合は、どうだ?」

 黒馬の耳が、ぴくぴくと、せわしなく動く。

 「普通に歩くのは、平気。

  急に走ったり、蹴ったりは、ちょっと痛むけど。

  何故、そんな事・・・」

 「アネッサだ。」

 どきり、と胸が鳴った。アルフィーニの宿敵とも言える、

コーブリオンの赤い魔女が、気配を現したらしい。

 「西・・・か。同方向だな・・・」

 「行くの?魔女退治に?」

 「ルテシア軍の動きを嫌って、移動しているのだろう。

  今を逃すと、また百年ほど、雲隠れされてしまう。」

 「行きましょう!アルフィーニ!!

  人の姿を、取り戻したいのでしょう?

  言葉と魔力だけでは、足りないのでしょう?

  今しかないのなら、行くべきだわ。

  私は大丈夫。いざとなったら、自力で逃げる。

  今すぐ西へ!さあ!!」
 
           続く


 北杜夫さんが、亡くなりました。お年から言って、無理ない事でしたが、ショックです。

 好きな作家さんが、亡くなるのは、無茶苦茶ショックです。kao_9

 最初のショックは、森茉莉さんでした。

 森鴎外の長女で、耽美派小説家で、でも、ひどく寂しい最期だったようです。

 それまでは、私の中の作家は、既に死んで、古典になっている人か、生きて活躍している人でした。

 それがある時、活躍を止めて、鬼籍に入り、古典になって行かれるのは、凄いショックです。

 それから、氷室冴子さん、栗本薫さん、そして、北杜夫さん。kao_18

 特に、どくとるマンボウさんは、がっくりです。いつかこの日は、来るだろうと、覚悟してたけど、

 (昭和二年生まれ。娘さんが、私の一才年下。奥様が、母と同い年。)やっぱりショックでした。

 虫好きの方でした。翌日のニュースで、「『ブータンシボリアゲハ』再発見」を知って、

 生きておられたら、老骨を押して、一文を書かれたであろうと思うと、残念です。

  ご冥福をお祈りします。


   では、また次回iconN11iconN11iconN11今日もお越しくださって、ありがとうございました。
 



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Posted by さあちゃん at 00:00│Comments(0)親ばか
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